課題に感心がない技術者はなぜ起業してはいけないのか

塩づくりに取り組むことを決めたまんぺいさんですが、鉄板だけで塩をつくることは当然できません。これから様々な組織能力や実現手段(塩づくりのノウハウや、塩づくりの職人、販売チャネル、営業体制)を獲得して、価値の実現に向けたネットワークを構築しなくてはなりません。

提供価値と実現手段の因果関係は、相関関係とは異なり「時間軸を伴った関係性」ですから、どのような実現手段と組織能力を持ては、価値を実現できるかどうかは、試行錯誤を繰り返すしかありません。これこそをが経営の苦しみであり、この因果関係を見つけ出し、構築することは非常に困難を極めます。技術にしか関心がないエンジニア起業家は多くの場合、この困難が「僕がやりたかったことではない」から耐えられないのです。

逆に、もしそのようなエンジニアでも、なにかをきっかけに、社会やビジネスの課題に高い感心をもつかもしれません。そして、まんぺいさんのようにその解決のために自分の技術力を駆使したいと心から思えるようになるならば、優れた起業家になれると私は考えます。

課題意識はあるが、実現手段のない(そこを全面的に人に頼らざるを得ない)起業家より、高い課題意識と優れた技術が同居しているまんぺいさんのような起業家こそ、手触り感のある本当のサービス・プロダクトを創ることができる、偉大な起業家になれる可能性があるのではないか。極論すれば、それ以外の経営資源は、ほぼ買えるし借りれるのです。

IGNiTE PARTNERS ホームページより転載