都道府県別では、老舗企業数の最多は「東京都」の3,811社(構成比11.5%)。次いで、「大阪府」2,022社(同6.1%)、「愛知県」1,783社(同5.3%)の順。1,000社超は7都府県。
江戸時代から政治経済の中心地だった「東京都」、「天下の台所」を持つ「大阪府」、中部の中心「愛知県」、かつて都が置かれた「京都府」、清酒製造などで有名な「新潟県」、「兵庫県」が上位に並ぶ。
産業別では、「製造業」が8,751社(構成比26.4%)と最も多かった。次いで、「小売業」7,627社(同23.0%)、「卸売業」7,138社(同21.5%)と続き、この3産業で全体の7割(同71.1%)を占めた。最も少ないのは「情報通信業」で165社(同0.50%)。両替商を起源とする銀行や生命保険・損害保険会社などの金融機関は、明治時代の創業が多い。だが、バブル崩壊後の金融再編、銀行持ち株会社解禁(1998年)で統合・再編が進み、創業年月を平成の新設時にした金融機関もある。
業種別では、「清酒製造業」が850社(構成比2.5%)で最多。酒蔵は、新潟県や京都府、兵庫県にも多いが、清酒製造業で最古は1141年創業の須藤本家(株)(茨城県)。
次いで、「貸事務所業」694社(構成比2.098%)、3位は「旅館,ホテル」と「酒小売業」(同2.095%)が693社でランクインした。
旅館業では、705年創業の(有)西山温泉慶雲館(山梨県)、717年創業の(株)古まん(兵庫県)、718年創業の(有)善吾楼(石川県)など、有名な温泉地で飛鳥時代から奈良時代に創業の古湯治場が多い。
上位10位を業種別にみると、1位「清酒製造業」、3位「酒小売業」のほか、10位に「酒類卸売業」393社(構成比1.1%)と、「酒」に関連した業種が入った。また、建設関連の「建築工事業」603社(同1.8%)、「土木工事業」553社(同1.6%)も、それぞれ5位、6位に入った。
江戸時代以降は、商業や工業の発展に伴って人の移動が活発になり、街道沿いに多くの宿場町が整備された。人の移動で各地に文化が広がり、衣・食・住の関連産業が今日まで引き継がれていることを裏付けている。
売上高別では、「1千万円以上1億円未満」が1万853社(構成比32.8%)と最も多かった。次いで、「1億円以上5億円未満」が9,953社(同30.1%)、「10億円以上50億円未満」が4,007社(同12.1%)、「5億円以上10億円未満」が2,957社(同8.9%)と続く。「5億円未満」が2万2,225社(同67.2%)と、小規模企業が全体の約7割を占めた。
売上高トップは日本生命保険(相)(1889年創業、大阪府)が7兆7,448億円。以下、JXエネルギー(株) (1888年、東京都)が6兆3,695億円、丸紅(株)(1858年、東京都)が6兆1,277億円)の順。売上高1兆円以上は44社だった。
上位30社のうち、26社(構成比86.6%)の本社は東京都で、大企業の一極集中が目立った。その他、大阪府3社、静岡県1社だった。