カウンセリングを進める中で、Bさんは「買収されることが悪いことだ」という否定的な捉え方をしていたようでした。マスコミが報道する買収劇では、負の側面がクローズアップされがちですから、Bさんのようなイメージを持たれる方は多いと思います。ところがM&Aは規模の大小を問わず国内においても日常茶飯事に行われており、買収されてうまくいくケースはたくさんあります。
考えてみてください。企業はなぜM&Aを行うのでしょうか?買収する目的は、自社のさらなる成長のため、あるいは救済型M&Aでは会社を立て直す(良くする)自信があるから買収をするのです。こうした背景を理解していれば、合併や買収など予期せぬ転機が訪れてもいたずらに騒がず、冷静に現状を整理することが出来ますね。
前回は、M&Aのような突然の転機を乗り越えるには、現在置かれている環境の中で「自分はどうしたいのか?」を明確にするためには、「自分自身を客観視する機会を設けることが大事である」とお伝えしました。
そこで今回は、客観視するために具体的にどうすればよいかをお話したいと思います。不安や焦りが生じる環境では、感情に支配され、自分自身をうまくコントロールできない状態にあります。こうした感情を切り離し、冷静になるためには「自分をとりまく状況」をチェックするとよいでしょう。