――譲渡に際し、どのような条件を希望されましたか?

 経済的な条件もありましたが、個人的に重視したのは「買い手はプロステージを本当に必要としてくれるのか?」という点でした。その想いを相手が強く持ってくれていないと、M&Aの交渉途中で破談になってしまうのではないかという不安もありましたし、私も20 年以上やってきた会社を譲渡するのですから、相手に喜んでもらって達成感みたいなものを得たかった。それで相手がどのような意図で買収を検討し、どれだけ必要としてくれるかという点を重視しました。

――お相手の決め手は何だったのでしょうか?

 今回、私の希望を鑑みて2社の買い手候補企業をご紹介いただきました。そして、どちらの企業も「あ、プロステージを本気で必要としてくれる」ということがわかりました。買い手企業がいろいろと会社の状況をヒアリングしてくるのですが、両社とも人材派遣業を経営する上で鋭いポイントを突いてくるのです。そこまで聞いてくるのかと思いましたが、逆に相手の本気度合いがよくわかって、うれしかったです。

経営者も会社も気力・体力に余力のある
今がベストのタイミングと決断

――あせらず余裕を持ってM&Aに臨めたM&A後の会社の状況はいかがでしょうか。

これまで多摩エリアを中心としてきましたので、新しい取り組みと事業シナジーの可能性を頼もしく思っています。 譲渡した企業は人材関連の事業を手がけておられますが、派遣業はメインでやって来られませんでしたので、プロステージをとても大切に扱ってくれています。また、すでに全国に事業所を展開されていますので、そこにプロステージの支社を開設することで、スピーディーな事業エリアの拡大を実現されています。

――最後に、M&Aを検討されている企業オーナー様へのメッセージをお願いします。

会社の業績も順調でしたので、あと2年の創業25 年を一つの区切りと考えていましたが、やや守りの姿勢であることを自分自身が感じ始めていました。従業員のことも考えると、私個人も会社も気力、体力に十分に余力のある今がベストのタイミングと決断しました。あせらずに余裕を持ってM&Aに臨めたことが良かったと思っています。

――本日はありがとうございました。

お話:プロステージ株式会社 前代表取締役 松井明氏
M&A情報誌「SMART」より、2016年10月号の記事を基に再構成
まとめ:M&A Online編集部

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