2018年4月、全国の地方銀行が胆を冷やすようなレポートが金融庁から公表された。『地域金融の課題と競争のあり方』。「金融仲介の改善に向けた検討会議」という金融庁の有識者会議がまとめたレポートである。
その11ページが衝撃であった...
全国の地銀には通称“ナンバーバンク”と呼ばれる金融機関がある。新潟の第四銀行、長野の八十二銀行、岐阜の十六銀行、三重の百五銀行、香川の百十四銀行、長崎の十八銀行、そして明治11年、宮城で営業を開始した第七十七国立銀行が源流の七十七銀行だ。
日本各地の「地銀」のルーツをたどってみよう。そのM&A―合従連衡の歴史をひも解けば、銀行や金融経済の成り立ち、日本の伝統産業、商業の集積の移り変わりなども見えてくる。第1回は「北海道」。北の大地には、北海道銀行と呼ばれる組織が2つあった。