実名公開でM&A情報を掲載! 日本公庫の新しい取り組みに注目
日本政策金融公庫は8月5日、国民生活事業の事業承継マッチング支援で「オープンネーム(実名)による後継者公募」を開始した。匿名ではなく実名でのマッチングは画期的な取り組みといえる。
不適切な報告がなされていた背景には、自己申告目標であるコミットメント制度があると考えられます。コミットメント制度は、各部長が自ら設定し、それを社長や営業本部長などの経営陣に約束するもの。各部長はコミットメントの達成状況を毎月、全役員同席のもとで開催される部長会議で説明していました。
部長14名を対象に行ったヒアリング調査では、コミットメントが部としての実力に見合っていなかったとする回答が多くみられます。
■部長への調査(◎は相当大きい、〇が大きい、△大きくはないが要因である、×該当しない)
営業担当者へのヒアリングでは、部長の期待に応えたいとの声が多く、コミットメント制度によって部に課された営業目標を何としてでも達成したいという心理状況に追い込まれていたことがわかっています。
この問題を受け、M&Aセンターは2022年3月に「コンプライアンス統括部」を新設。コンプライアンス経営を推進し、組織文化として根付かせることを目的としていました。7月1日新設したCCO(チーフコンプライアンスオフィサー:コンプライアンス統括部長)に武田安央氏が就任していました。
その矢先で、元役員の脱税が発覚。またもM&Aセンターの名が不名誉な形で世に広まることになりました。
かつてM&Aは「乗っ取り屋」というネガティブなイメージが先行する業界でした。しかし、事業承継問題の解決や、企業の成長を促すものというポジティブな認識へと取って代わり、中小企業を中心にM&Aは活発に活用されるようになります。また、高年収であることから人気の就職先ともなりました。
M&A業界を更なる発展へと導くため、ガバナンスやコンプライアンスを重視した経営姿勢が求められます。
麦とホップ@ビールを飲む理由
日本政策金融公庫は8月5日、国民生活事業の事業承継マッチング支援で「オープンネーム(実名)による後継者公募」を開始した。匿名ではなく実名でのマッチングは画期的な取り組みといえる。