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詳しく解説!M&Aマッチングビジネスとは

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これだけあるよ!M&Aマッチングサイト(2018年)が好評でしたので、2020年版に更新しました。M&Aマッチングビジネスは日本テレビ系の深夜番組「マツコ会議」でも取り上げられるほど注目度が高い分野ですので、今後も定期的にアップデートしていきたいと思います。

サイトの比較は他のアフィリエイト記事に譲るとして、ここではM&Aビジネスという別の視点で書いてみます。

M&A仲介ビジネスとは

まずは、「M&A仲介業って何?」というところから始めます。

中小企業のM&A仲介業は、売り手と買い手をつなぐ仕事です。仲介役のアドバイザーが売り手あるいは買い手から相談を受け、相手を探し、成約に至ったら成功報酬をいただくというビジネスモデルです。

大企業のM&Aでは売り手と買い手双方にそれぞれ代理人(ファイナンシャル・アドバイザー)がつき、バチバチやる一方で、中小企業のM&Aはどちらかというとなごやかムードで契約が進みます(そうでないケースも間々ありますが)。

かつては豊富な人脈を生かして相手を探す能力が最も問われる仕事でした。というのも株価算定評価は公認会計士に、契約関係は弁護士に、相続税などは税理士に…と依頼する分業体制をとることが多かったからです。

しかしこの20年間でM&A市場は急成長しました。M&A仲介会社は受注前の株価算定評価から契約締結Iまで「一気通貫」が当たり前になり、買収後のPMI(ポスト・マージャー・インテグレーション)まで行うところもあるようです。また業界が成熟するにつれ、不動産業のように両手仲介(媒介)という「双方代理」を問題視する動きもあります。

M&Aの普及とともに、売り手や買い手もM&Aについて詳しくなりました。当然ながらアドバイザーも実務の知識はもちろんのこと、法改正や税制改正、国の施策など常に情報のキャッチアップが必要です。こうした業務知識に精通していることもアドバイザーとして最低条件となりました。

M&A仲介会社の給料が高いとビジネス誌などで話題になりますが、それだけ高度な人材が求められているという訳なのです。しかし、人件費が高いと当然手数料(成功報酬)も高くなってしまいます。

そうすると、手数料が高いがためにM&Aに二の足を踏む経営者も出てしまいます。そこに目をつけたのがM&Aサービスを低コストで提供しようと考える人たちです。

ネックである人件費を極力省き、マッチングサイトでM&Aを成約させようという動きが出始めました。マッチングサイトはそれ自体が仲介機能を持っているため、大幅なコストカットが期待できます(まだ100%自動化できないところがこのビジネスの面白いところでもありますが)。

一方で、ビッグデータやAI(人工知能)の進歩で、特定の業種・業界ではマッチングを自動化するのが当たり前という時代がすぐそこまで来ています。

M&Aマッチングサイトの成り立ち

M&Aマッチングサイトを日本で初めて展開したのはストライクの「M&A市場SMART」(1999年)です。ヤフーが「ディレクトリ型検索エンジン」といって、(ヤフーの)担当者が手作業でカテゴリ登録をしていた時代でした。

ドットコムバブルを経てライブドアによる一連の買収騒動、村上ファンドの登場などでM&Aが一気に知られるようになると、M&A仲介会社が案件を自社のサイトに掲載するようになりました。2005年頃からでしょうか。この流れは現在も続いており、登録はオンラインで、手続きや実際のディールはオフライン(仲介)で進みます。

ネット環境が整備され、EC(電子商取引)サイトで売買することが当たり前になると、サイト売買も活発に行われるようになりました。IT系の出身者が特定の得意分野でM&Aを手がけるようになったり、扱う案件サイズなどでM&Aマッチングサイトは細分化されていきました。最近はマイクロ(小規模)M&Aの流れが進み、個人事業主など比較的少額で売買できるビジネスを扱うマッチングサイトが増えてきました。

ここから先は、M&Aマッチングサイトの紹介に移ります。

M&A仲介大手が運営するマッチングサイト

M&Aに対する理解が進むと、ある程度の知識がある買い手にとっては、仲介手数料のいらない(もしくは安価な)マッチングサイトで成約する方が好都合です。とはいえ企業を売買するわけですから、安心して取引したいと考える経営者も多いと思います。

知名度の高いM&A仲介大手3社もマッチングサイトを運営していますが、実は消費者向けビジネスのようにブランドを分けてサービスを展開しているところが多いです。

例えば、中小企業M&A仲介会社最大手の日本M&Aセンターは、バトンズという関連会社でマッチングビジネスを展開しています。サイト名も同じく「バトンズ」。ちなみに日本M&Aセンターの出資比率は32.46%です。

同じく東証一部に上場しているM&Aキャピタルパートナーズは、子会社のレコフデータが「マールマッチング」のサービスを今年10月に開始しました。レコフはM&A統計で草分け的存在です。

手前味噌になりますが、M&A Onlineでも「M&A Online Market」というマッチングサービスを提供しています。

手厚いサービスを求める人は従来型の仲介会社へ、安価を求める場合はマッチングサイトへと、まるで携帯電話会社のドコモとahamo(アハモ)みたいな関係ですね。

案件数が豊富なマッチングサイト

さて、サービスが手厚くても欲しい事業がなければ意味がありません。ここでは2020年12月24日時点で掲載案件数が豊富なサイトを紹介します。

TRANBI(トランビ)」は、事業承継・M&Aのマッチングサイトとして、2011年にサービスを開始しました。個人事業主やECサイトなど小規模な案件が多く、ユーザー数が7万4642人、累計案件数が6831件と圧倒的な案件数を誇っています。

転職サイトのビズリーチが運営する「ビズリーチ・サクシード」は、完全審査制マッチングプラットフォームです。審査を通過した法人企業のみという制限があるにも関わらず、売り手2880件、買い手6036件と案件数が多いのが特長です。

人材会社は撤退の動きも

ビズリーチのように、マッチングビジネスにノウハウを持つ人材サービス会社が相次いでM&Aマッチングビジネスに参入したものの、撤退する動きも出ています。

例えば「M&Aプラス」は、人材情報サービスのディスコが運営していましたが、デロイトトーマツが2017年に買収。2018年3月に再スタートしました。

採用大手のエン・ジャパンも「MAfolova(マフォロヴァ)」を運営していましたが、今年12月にM&A仲介会社のピナクルに譲渡しています。

なお、人材最大手のリクルートは「事業承継総合センター」という買い手とM&A仲介会社の比較サービスを提供しており、後述のM&Aプラットフォーム型ビジネスを展開しています。

非公開で提供するM&Aプラットフォーム

M&Aが浸透してきたとはいえ、情報公開をためらう経営者もいると思います。

もう一つの流れが、M&Aプラットフォームサービスです。グーグルやアマゾンの成功でプラットフォームビジネスが注目されるようになり、M&A業界でもこぞって手がけるようになりました。

M&Aクラウド」は中小ベンチャー企業のM&Aマッチングプラットフォームとして、M&AアドバイザーとM&Aプラットフォームを組み合わせたハイブリッド型のサービスを2016年に開始しました。

プラットフォーム型では「FUNDBOOK(ファンドブック)」という会社もあります。創業者の畑野幸治氏はRIZAP傘下のぱどの株式を個人で公開買い付けして話題になりました。

M&A仲介会社のALIVALが運営する「M&Aナビ」は、初めてM&Aを行う人にも使いやすい設計を心がけているそうです。

新しいところでは、11月にWeb集客のエスネッツ(現Maaap)が業態転換し、中小企業向けM&Aプラットフォーム「Maaap」をリリースしました。

実際に売り手と買い手が直接交渉するM&Aプラットフォームビジネスは、なかなかハードルが高いようです。プラットフォーム型と言いながら、仲介型のサービスを提供する企業も少なくありません。今後の展開に期待したいところです。

最後に自治体と連携し、事業承継問題に取り組む例を紹介したいと思います。

自治体が運営する事業承継マッチングサイト

国が喫緊の課題として事業承継問題に取り組んでいるのはご存じの通りです。最近では、自治体が自ら、あるいは自治体と組んで事業承継マッチングサイトを運営する動きも出てきました。

札幌市は「ビズマ(BIZMA)」という事業承継マッチングサイトを3月にオープンしました。7月には宮崎県高原町で「relay(リレイ)」というクラウド継業プラットフォームが誕生しました。後継者を探す事業者と引き継ぎを望む移住者を結ぶマッチングを行い、地方自治体(宮崎県高原町)と連携しています。

以上、やや駆け足で紹介しましたが、参考になれば幸いです。

文:M&A Online編集部

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