(B)支配権は取得していないが、重要な影響力は取得した場合

影響力というのは、経営上の意思決定に重要な影響を与えることを意味します。買い手企業が影響力を有しているかどうかの判定方法も、連結財務諸表に関連する会計基準などで詳細に定められています。ただし、目安としては議決権総数の20%以上が基準となります。

このような判定方法は「影響力基準」と呼ばれます。影響力を有している場合、対象企業は「関連会社」に該当し、買い手企業の連結財務諸表では原則として「持分法」という処理が適用されます。

持分法では、関連会社の決算書を連結財務諸表に合算することはしません。その代わり、関連会社で発生した損益のうち買い手企業(企業グループの親会社)の持分に相当する部分を投資勘定(買い手企業の決算書に計上されている「関連会社株式」などの科目)に加減算していきます。

そのため、株式取得時点においては特に連結仕訳は発生しません。買い手企業の決算書に計上されている関連会社株式の金額がそのまま連結財務諸表に取り込まれます。

 (C)ターゲット会社の意思決定にほとんど影響力を与えられない場合(AにもBにも該当しない場合)

この場合、買い手企業の決算書では対象会社の株式が「投資有価証券」などの勘定科目で計上されますが、特に連結仕訳は発生しません。

  1-2.株式取得後の会計処理

 (A)ターゲット企業が「子会社」の場合

連結財務諸表はグループ全体の決算書ということができます。そのため、グループの内部における取引や債権債務は相殺消去する必要があります。

たとえば、親会社から子会社に対して商品100を販売し、代金は期末時点で未回収となっている場合、下記のような連結仕訳が必要となります。

(売上)100      / (仕入)100

(買掛金)100    /(売掛金)100

この連結仕訳は、親会社における「売上」と子会社における「仕入」を消去(内部取引消去)とともに、親会社における「売掛金」と子会社における「買掛金」も消去(債権債務消去)していることを意味します。

また、上記の事例において、仮に期末時点では商品がグループ外部に販売されておらず、子会社で保有している場合には、先ほどの連結仕訳に加えて、商品の帳簿価額のうち親会社が付加した利益の部分を控除するという手続(未実現利益の控除)も必要となります。

さらに、対象企業が100%子会社でない場合には、子会社の決算書で計上された損益のうち非支配株主(少数株主)の持分に相当する部分を連結財務諸表上で調整する作業なども必要となります。