(B)ターゲット会社が「関連会社」の場合

上述のように関連会社で発生した損益のうち買い手企業の持分に相当する部分を「関連会社株式」に加減算する処理が必要となります。

例えば、議決権の30%を保有する関連会社の決算書で10の利益が計上された場合、下記のような連結仕訳が必要となります。

(関連会社株式)3   /(持分法による投資損益)3

 2.売り手株主の会計処理

それでは、仮に売り手が法人株主であり、これまで連結財務諸表の範囲に含めていた子会社を売却した場合の会計処理はどうなるでしょう。

売り手(親会社)の個別の決算書では「子会社株式売却損益」が計上されています。連結仕訳では、子会社株式を取得してから売却するまでの間に稼得した利益剰余金のうち持分相当額を調整する処理が必要となります。

たとえば、100%子会社(取得時からの利益剰余金の累計100)の株式をすべて売却して子会社株式売却益300を計上している場合、下記のような連結仕訳が必要となります。

(子会社株式売却益)100  /(利益剰余金)100

個別の決算書上では子会社株式売却益が300計上されているものの、連結財務諸表上はすでに利益剰余金100が織り込まれており、子会社株式の売却原価(連結上の簿価)もその分だけ増えていると考えるのが自然です。そのため、子会社株式売却益は利益剰余金の分だけ小さくなると考えられます。それを連結仕訳に表したものが上記の仕訳です。

上記の事例はできるだけシンプルにしていますが、実際には、一部売却して支配が継続するケース、支配は継続しないが影響力は持ち続けるケースなど様々なケースが考えられます。それぞれについて会計基準や実務指針で処理方法が定められています。

 3.買収ターゲット会社の会計処理

買収の対象となった会社にとっては単に株主が変更するだけであり、特に会計処理は必要となりません。なお、米国基準では、買収時における資産・負債の時価評価のれんの計上を対象会社の個別決算書に反映させる「プッシュダウン会計(Pushdown Accounting)」という手続もありますが、我が国基準ではそのような手続はありません。

以上のように、連結仕訳を考える際には、企業グループから見て株式の簿価や売却損益がどのようになるのかという視点を持つことがポイントとなります。まずはシンプルな事例から確認していくことも有用といえるでしょう。

文:北川ワタル

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