そして現在、世界で猛威をふるっているのがデルタ株だ。東京大学医科学研究所の佐藤佳准教授が主宰する研究コンソーシアム「The Genotype to Phenotype Japan」によれば、デルタ株には日本人に多く見られる細胞性免疫「HLA-A24」を回避する特性があるという。日本人にとって危険な変異株と言える。
デルタ株はワクチン接種が進んでいる英国などでも感染拡大が進んでいる。既存のワクチンを接種していれば重症化はしにくいが、感染するリスクは残るという。2回のワクチン接種を済ませていても、未接種者に感染させる可能性がある。未接種者の場合、50代以下の年齢層でも重症化するケースが目立つ。
政府CIOポータルによると、日本は6月28日時点でのワクチン接種完了率が7.09%と低い。デルタ株の感染が拡大すれば、過去の4波を上回る被害を出しかねない状況だ。
VOIリスト | (注目すべき変異株) | ||
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名称 | 最初に確認された国 | 確認時期 | 指定日 |
イプシロン | 米国 | 2020年3月 | 2021年3月5日 |
ゼータ | ブラジル | 2020年4月 | 2021年3月17日 |
イータ | 複数の国 | 2020年12月 | 2021年3月17日 |
シータ | フィリピン | 2021年1月 | 2021年3月24日 |
イオタ | 米国 | 2020年11月 | 2021年3月24日 |
カッパ | インド | 2020年10月 | 2021年4月4日 |
ラムダ | ペルー | 2020年12月 | 2021年6月14日 |
VOI変異株も油断できない。ペルーで感染が拡大している「ラムダ株」は感染力が強い上に、ワクチンの効果が大幅に低下する可能性も指摘されている。ワクチン接種が遅れれば遅れるほど、新型コロナワクチンの感染が長期化し、変異株が生まれる可能性が高まる。ウイルス変異とワクチン接種の「スピード勝負」と言えそうだ。
文:M&A Online編集部