冒頭でご紹介したとおり、2018年6月4日、マイクロソフトはGitHubを75億ドルで買収すると発表しました(参照)。
マイクロソフトといえば、WindowsやMicrosoft Officeなどが有名ですが、オープンソースとは対極な立場として囲い込み戦略型のビジネスモデルを構築してきたと筆者は考えます。
その一方、GitHubでのOSSへの貢献が企業として一番多いのはマイクロソフトと発表されており(参考)、近年のマイクロソフトは、オープンソース戦略が積極的に推進されていると想像できます。
今回の買収によって、積極的にOSSを取り込むという目的のほかに、マイクロソフトはOSS開発者に対して自社製品の販売を促進するような動きをするのではないかと想像できます。
GitHubの他にも、gitを利用したホスティングサービスはGitHubの他にもいくつか存在します。それらの企業は、GitHubに対抗したチーム開発のためのツールとして、親和性のあるサービスや事業を買収し、サービスの価値をあげようとしているのではないか、と筆者は考えます。
その根拠として感じた2つの買収事例を紹介します。
2017年3月、GitLab.orgがGitterを買収しました。Gitterとはチャットベースのコミュニケーションを行えるサービスで、gitとの相性が良いツールです。有償プランは廃止され、GitLab上でOSSとして提供されており、今では誰もが無償で利用することができます。
コミュニケーションツールやタスク管理ツールを提供するAtlassianは、2010年9月にbitbucket.orgというウェブベースのホスティングサービスを買収しました。この買収でbitbucket.orgの料金プランが変更され、無償でプライペートリポジトリを作成(GitHubは有償)することができるようになりました。
このように、GitLabとAtlassianは、コミュニケーションやタスク管理を行うツールとの連携を行うことで、デファクトスタンダードとなっているGitHubとの棲み分けを目指しているように感じます。
GitHubに自分の書いたコードを公開することは、エンジニアにとっては初めの一歩と言えます。学習にオススメのウェブサイトを最後に紹介します。
gitの概念を初心者でもわかるように非常に丁寧に解説しています。筆者もgitの使い方はこのサイトをみて学びました。
gitのコマンドライン上での使い方を実際に手を動かしながら網羅的に学ぶことができます。
概念を理解するまでは苦労するかもしれませんが、慣れてしまえば難しいものではないです。エンジニア以外の方でもgitを使いこなすことで、情報整理に役に立つでしょう。
文:鶏肋 /編集:M&A Online編集部
人気アプリ開発者の鶏肋さんによるコラムです。非SEさんでも理解が進むように企業買収の視点でみたプログラミング言語Rubyの特徴について解説してもらいました。