広告業界で広告運営の内製化やデジタル化の動きが進んでいる。今後のM&Aは内製化やデジタル化に関連した案件が増えるのだろうか。2025年の主だったM&Aを見てみると―。
ニコンはM&A戦略を見直し、成長ドライバーの拡充から、意思決定プロセスの透明化やリスク管理などのガバナンス(健全な企業経営を実現するための仕組みや管理体制)強化に軸足を移した。
ホームセンター最大手のカインズ(埼玉県本庄市)は2025年12月下旬に、建築、建設、製造業向けの通販サイト「トラノテ」などを運営する大都(大阪市)を子会社化する。2022年に子会社化した家具、日用品、生活雑貨などを販売する東急ハンズ(現 ハンズ)以来、約3年半ぶりとなる。
太陽光発電やITなどの事業を展開するテクノロジーズは、2023年1月期に10億円強だった売上高が、2025年1月期に約13倍の139億円となり、さらに2026年1月期には18倍ほどの200億円に迫る見通しだ。
ディスカウントストア大手のミスターマックス・ホールディングスが、同社初の企業買収に前向きな姿勢を見せている。統合報告書2025で「M&Aなどの検討に割く時間が増えてきた」としており、企業買収の実現が近づいていることがうかがい知れる。
ごみ収集車などの特装車大手の新明和工業は、2027年3月期に海外売上高800億円の目標達成に向け、M&Aを加速する。「全ての事業セグメントで海外メーカーのM&A・アライアンスを検討中」としている。
愛知県を地盤とする不動産中堅のAVANTIAは、エリア拡大やM&Aによるグループ拡大などによって、分散傾向にあった人材や資金、設備、ノウハウなどの経営資源を、重要拠点や事業に集約する。
不動産業中堅のサンフロンティア不動産が、ホテル買収を活発化させている。2028年3月期にホテル運営室数6000室、2033年には1万室(2025年6月末時点で3160室)を目指しており、運営室数拡大のためにM&Aを活用する方針だ。
大林組は2025年11月中旬以降に、クリティカルエンバイロメント分野(研究施設、データセンター、病院などの高度な環境管理が要求される施設)に強い、米国の建設会社GCON(アリゾナ州フェニックス)とグループ会社2社(同)を子会社化する。
コーナン商事はホームセンター事業に次ぐ未来の成長を担う新たな経営の柱の発掘に乗り出した。M&Aを活用して実現を目指す計画で、これまでのホームセンター事業の拡大を中心に進めてきたM&A戦略を、成長のための先行投資に転換する。