ここで、もともとの野田醤油の歴史を振り返っておきたい。野田醤油の歴史は古い。伝承の部類だが、永禄年間(1558〜1570年)に飯田市郎兵衛家が始めたとされている。その旧飯田家の工場・蔵跡には現在、「野田の醤油発祥地」と刻まれた記念碑が建っている。
野田醤油が貴重品ながら広く一般に使われ始めたのは、それから100年ほど経ったのちのことだ。1661(寛文元)年に、髙梨兵左衛門という醸造家が醤油醸造を始めてからだとされている...
岩の原葡萄園は「日本のワインぶどうの父」と呼ばれた井上善兵衛が郷土の越後高田(現新潟県上越市)に創業した葡萄園。そのぶどう園が国産ワイン発祥の地のようにいわれたりもするが、甲州ワインの先達、各ワイン会社の系譜も入り乱れ、その話は複雑だ。