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東証、MBO後の再上場の審査指針を公表 投資家保護の強化狙う

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MBOと再上場の関連性、計画と進捗の乖離を審査

 具体的な内容は以下の表の通りだ。

 東証が特に注意深く審査するのは、MBOと再上場が一体となった取引である。具体的にはMBO を実施する当初から再上場などによるイグジットを念頭に置くようなケースが該当する。これに対しては、MBOの主導者(経営者・株主)の同一性・連続性、MBOから再上場までの期間の長短などを確認する方針だ。

 またMBOを実施して上場廃止となった会社が再上場する場合には、MBO時の計画と MBO後の進捗との間のかい離が生じる場合がある。例えば、MBO時の収益計画について意図的に低く見積もれば、会社が株主に対して支払うプレミアムが低めになり、経営者は再上場時に利益を上げやすくなる。東証はこれに対して、計画と進捗の乖離についての説明が十分に説得力があるものかどうかなどを確認する。

 東証では2015 年 12 月から上場制度整備懇談会においてMBO後の再上場について議論を行った。MBO実施後3年以内の再上場を認めないといった規制を導入することも検討したが、そのような一律的な規制は「かえって資本市場の活力をそぐことになりかねない」と判断し、規制導入を見送った。

 東証によると、MBOの件数は 2007 年から 2012 年にかけて集中しており、投資ファンドの一般的な投資期間等を考慮すれば、今後、再上場件数が増加する可能性があるという。最近では外食大手のすかいらーくがMBOで非公開化した後にファンド傘下で再建を進め、2014年に再上場した。アデランスは今年10月、投資会社のインテグラルと組んでMBOを実施し、株式上場を廃止すると発表した。

 今回の東証の対応が「MBO→再上場」の流れにどんな影響を与えるのか。今後の推移を注目していきたい。

文:M&A Online編集部

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