M&Aは日常茶飯事だからこその判断

デジタルファクトリーでは、将来のIPOやM&Aをどのように考えているのだろうか。阿井氏は語る。

「この業界の外資にとってM&Aは日常茶飯事で、それこそ毎月、何件もの会社が生まれ、どことどこが合併し、吸収されたといった話を耳にする時代になりました。それこそ、従来とは異なり、M&Aによる事業の拡大は一般的な事業展開の選択肢の一つになりつつありますね」

もちろんハードウエアだけでなくデータ作成、関連サービスなどソフトの分野に目を向けると、特定の技術を有する事業を売却して利益を得て、新たな技術分野に進出するケースも一般的になりつつある。

「M&AやIPOがより一般的になっているからこそ、当社としては自社のスタンスを明確にして、足場をより固めたいという意識があります。そのなかで、特定の事業を購入して業績を拡大したり、逆に売却して整理するといった可能性がないわけではありません」

ただ、阿井氏が強調するのは、外資のM&Aを見慣れているだけに、「それが働く人にとっての幸せかどうか」ということだ。それを抜きにして考えられるほど同社の業容は大きくなってはおらず、それを抜きにして対応する時期ではないということなのだろう。

「外資のスタートアップ経営者はすごく若くて、意思決定もスピーディ。ついていけない面もありますね(笑)。2Dの世界が3年かけて変えていたものが、3Dでは1年から半年で変わる。そのスピードへの対応力を、外資がM&Aを駆使して牽引している面もある。当社としては、新しい市場のなかで力を発揮するために、企業のバリューを上げていくことが先決です」

M&Aを重ねて大きく成長した外資、その外資による市場の再編を見慣れ、そのなかに身を置く同社だからこその立ち位置を見据えているようだ。

M&A Online編集部