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「企業の税金負担」

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4.上場企業の税金負担率の中身

 有価証券報告書を作成されている方はご存知ですが、上述した法定実効税率と税金負担率の差異は、有価証券報告書で税効果会計関係の注記を見ると載っています。海外の上場企業においても、SECへの届出書類(Form10-K)やアニュアルレポートに載っています。

 注記のボリュームとしては退職給付の注記に比べるとそこまで多くはないですが、連結子会社が多いとその資料作成にはそれなりの時間を要します。会社によっては、専任の担当者が1週間くらいかけている事例もあります。

 決算開示のための資料作りだとあくまで結果を確認するだけですが、現状の日本と海外子会社、あるいは海外子会社間の商流を見直したり、移転価格を見直すことで、グループ全体の税金負担率がどのように変わるのかをシミュレーションすることが、グローバルタックスプランニングの1つの手法です。

 結果ではなく、将来の決算数値を予測し、マネジメントすることが、今後の財務戦略にますます必要になってきますし、そうしないと、そのような対応を当たり前のようにしてるグローバル企業の競合他社とやり合うことは困難でしょう。

文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.024 2016.03.16)より転載

三木 孝則

株式会社ビズサプリ CEO 公認会計士
学歴:1998年 東京大学経済学部経営学科卒業
職歴:1997年10月より青山監査法人に5年勤務。多様な業種(製造業、サービス業、ホテル業、保険業等)における財務諸表監査(日本基準、米国基準、IAS(現IFRS)等)を経験する。
その他、システム監査やデューデリジェンスにも従事。 その後、2003年1月から監査法人トーマツに転職し、エンタープライズリスクサービス部にて7年9カ月勤務。国内外の企業の内部監査や内部統制の導入コンサルティングやコソーシング、リスクマネジメント、システムに関わる業務改善等に主任として従事。また、一連のテーマに関する社内外のセミナー講師や機関紙の執筆等に関わる。専門家としてのコンサルテーションのみならず、複雑な環境下でのプロジェクトマネジメントや改善策の導入支援に強みを持つ。
2010年10月より独立し、株式会社ビズサプリを設立。IFRS導入支援やIPO支援等のコンサルティングを展開しつつ、現在に至る。
資格:公認会計士、公認内部監査人(CIA)、公認情報システム監査人(CISA)、TOEIC900点
著書:•統制環境読本(翔泳社)•IFRS決算書分析術(阪急コミュニケーションズ)•ビジネスモデル分析術(阪急コミュニケーションズ)


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