有価証券報告書を作成されている方はご存知ですが、上述した法定実効税率と税金負担率の差異は、有価証券報告書で税効果会計関係の注記を見ると載っています。海外の上場企業においても、SECへの届出書類(Form10-K)やアニュアルレポートに載っています。
注記のボリュームとしては退職給付の注記に比べるとそこまで多くはないですが、連結子会社が多いとその資料作成にはそれなりの時間を要します。会社によっては、専任の担当者が1週間くらいかけている事例もあります。
決算開示のための資料作りだとあくまで結果を確認するだけですが、現状の日本と海外子会社、あるいは海外子会社間の商流を見直したり、移転価格を見直すことで、グループ全体の税金負担率がどのように変わるのかをシミュレーションすることが、グローバルタックスプランニングの1つの手法です。
結果ではなく、将来の決算数値を予測し、マネジメントすることが、今後の財務戦略にますます必要になってきますし、そうしないと、そのような対応を当たり前のようにしてるグローバル企業の競合他社とやり合うことは困難でしょう。
文:株式会社ビズサプリ メルマガバックナンバー(vol.024 2016.03.16)より転載