日本電産が2020年度を最終年度とする中期戦略目標「Vision 2020」達成に向け正念場を迎えている。その目標達成のカギを握っているのが車載モーター分野でのM&Aだ。
東証「適時開示」ベースで、2019年4月のM&Aは前年同月比16件増の67件と、昨年10月以降7カ月連続で前年を上回った。前月(3月)比では15件減った。海外M&Aが23件と全体の3分の1を占め、なかでも売却案件が中国を中心に9件に上った。
10連休明けから、上場企業の2019年3月期決算発表がヤマ場を迎える。ゴーン事件に揺れる日産自動車、内紛騒動の渦中にあるLIXILグループ、施工不良問題のレオパレス21など注目企業が控える。まずは4月の「前哨戦」をおさらいすると。
日本電産は2021年3月期に売上高2兆円を達成する目標をかかげており、2021年3月期は2020年3月期比21.2%の増収が必要となる。次の一手(M&A)が 成否を分けることになりそうだ。
日本電産の永守重信会長は「中国メーカーからの引き合いはものすごい勢いできている」としたうえで、「中国は必ず伸びる。世界一のEVメーカーは中国から出てくる」とし、中国経済に強い期待を示す。
日本ペイントホールディングスが17日、豪州の塗料メーカー最大手、デュラックスグループの子会社化を発表した。買収金額3005億円は日本企業によるM&A案件で今年最大だ。豪州企業を対象とするM&Aでは歴代3番目の規模となる。
日本電産は米国の家電メーカー・ワールプールから起こされた訴訟について、ニューヨーク南部地方裁判所が訴訟を却下する決定を下したと発表した。ワールプールは同社のコンプレッサー事業を買収するための努力を、日本電産が怠っているとして訴えていた。
日本電産に何が起こっているのか。同社は3月12日に、買収手続きを進めていた米国の家電メーカー・ワールプールのコンプレッサー事業であるエンブラコに関し、ワールプールが訴訟を起こしたと発表した。
日本電産がM&A戦略に変更のないことを示した。同社は2019年1月23日に業績の下方修正をしたばかりだが、同1月31日にドイツの大型減速機メーカー・デッシュ・アントリープステヒニク社を子会社化した。
2018年の業種別M&Aで、件数が最も多かったのはIT・ソフトウエア業界の125件だった。2位がその他サービス業界の120件、3位が電気機器業界の38件と続いた。