3.11からまもなく9年。想像を超える被害をもたらした福島第一原子力発電所の事故現場で何が起きていたのか。映画『Fukushima 50』は、50名の作業員たちが死を覚悟しながらも大事故と闘い続けた姿を伝える。
編集部おすすめの一冊は久保惠一著「東芝事件総決算 会計と監査から解明する不正の実相」。外部の人間が容易に入手できる客観的データの財務諸表や適時開示情報などをもとに東芝の一連の会計事件の「闇」に切り込む、いわば「調査報道」的な内容である。
東芝が紆余曲折の果てに半導体子会社を売却して3カ月が過ぎた。「虎の子」と呼ばれた東芝メモリを売却せざるを得なくなったのが、原子力事業を手がけていた子会社の米ウェスチングハウスの経営破綻に伴う巨額の損失だった。その会計処理には問題が多かった。
7月19日、電気小売仲介の福島電力は債権者から破産を申し立てられ、福島地裁いわき支部より保全管理命令を受けた。事業は継続されており、会社側は破産申立について全面的に争っている。
中部電力が「電力再編」の荒波に飲み込まれている。再編相手と目されているのは国内電力最大手の東京電力HD。東電との合弁企業であるJERAは2019年4月に火力発電事業の一本化に踏み出す。中部電と東電の本体同士の経営統合も現実味を帯びてきた。
再生可能エネルギーに「逆風」が吹き始めている。普及促進のためのFITにより、既存の火力発電や原子力発電に比べて割高で、エネルギー市場での競争力がないというのだ。再生可能エネルギーはコスト競争に勝てるのか。橘川武郎東京理科大学大学院教授に聞いた。
四国電力が伊方原発2号機の廃炉を決めた。東電福島第1原発事故を受けて定められた新規制基準を満たすには巨額の設備投資が必要で、老朽化した小出力の原発を再稼働するメリットはないと判断したのだ。だが、事情は他社も同じ。今回の廃炉は序章にすぎない。
東芝が原子力発電事業から事実上撤退し、日本政府が地球温暖化対策の要として展開してきた原発輸出にもブレーキがかかった。国内原発の多くは再稼働しておらず、逆風は相変わらずだ。そこで橘川武郎東京理科大大学院教授に今後の原発ビジネスについて聞いた。
東芝を経営危機に追い込んだウェスチングハウス(WH)の原発事業が、ようやく切り離せることになった。先進国では下火になった原子力発電だが、21世紀の世界経済をけん引する中国・インドでは建設ラッシュが加速している。WHを買収した投資ファンドの狙いは
電力業界のM&Aはあるか?エネルギー産業史研究の第一人者である東京理科大学教授橘川武郎氏に緊急インタビューを行った。電力会社の再編をもたらす駆動力は、3.11の震災以降に顕在化した、原子力発電を巡るポートフォリオの見直しにあるという。