2025年上期(1~6月) のM&A件数は660件と前年を53件上回り、上期として7年連続の増加となった。年間件数も2年連続で過去最多を更新する公算する大きい。取引金額は12兆円を超え、上期・下期を問わず、半期で初めて10兆円を突破した。
米プライベート・エクイティのベインキャピタルが、2017年に約1517億円で買収した国内広告代理店4位のADKホールディングス(旧アサツー ディ・ケイ)を約750億円で売却した。買収額の半額での売却だけに、失敗にも映るが、実態はどうなのか?
工作機械大手の牧野フライス製作所はアジア系投資ファンドのMBKパートナーズによる買収提案を受け入れ、非公開化し、株式市場から「退出」することを決断した。ファンドの傘下に入った後、再上場するケースはどのくらいあるのか。また、その顔ぶれは?
自動車部品大手マレリホールディングスが、再び経営破綻した。2022年に東京地裁に民事再生法を申請して再建に取り組んだが、資金繰りの悪化や主要取引先の業績低迷が経営を圧迫し、2025年6月に米連邦破産法第11条の適用を申請した。今後の命運は?
トヨタグループが源流企業である豊田自動織機の非公開化に乗り出した。背景には短期的な市場の論理から脱し、創業家の長期ビジョンを軸とした「一枚岩経営」への回帰という深層がある。グループの再編を主導するのはトヨタ会長で創業家出身の豊田章男だ。
芝浦電子をめぐる台湾電子部品大手のヤゲオと精密部品大手のミネベアミツミの買収戦が中盤を迎えた。同意なき買収に打って出たヤゲオだが、同社が提示した買付価格はミネベアミツミを800円上回っており、ここまで有利に戦いを進めている。一方、友好的買収者として名乗りを上げたミネベアミツミは劣勢をどう跳ね返すのか。
TOB(株式公開買い付け)が最速で増加中だ。2025年は4カ月あまりで50件(届け出ベース)に到達し、前年よりも3カ月ペースが速い。前年の年間件数は100件ちょうどで、過去最多の2007年(104件)以来17年ぶりに100件の大台に乗せた。今年はさらに勢いを増しており、最多更新が有力視される。
新たな企業争奪戦が持ち上がった。センサーメーカーの芝浦電子に対して同意なき買収を提案中の台湾電子部品大手のYAGEO(国巨)に対抗する形で、精密部品大手のミネベアミツミがホワイトナイト(白馬の騎士)として名乗りを上げた。
工作機械大手の牧野フライス製作所に、モーター大手のニデックが昨年12月末に買収提案を発表して3カ月が経過した。両社のせめぎ合いが続く中、いよいよヤマ場を迎える。ニデックが予告していたTOB(株式公開買い付け)開始日の4月4日が到来するためだ。
創業家が目指していたセブン&アイHDの株式非公開化が暗礁に乗り上げた。大口出資者候補の伊藤忠商事が出資を断念することが明らかになったからだ。これにより「同意なき買収」の可能性が高まった。なぜ伊藤忠はセブンの創業家のMBOから「降りた」のか?