日立製作所は、かつて「何でも作れるが、強みが見えにくい」と言われた総合電機だったが、2009年3月期に当時の国内製造業で過去最大の赤字に転落。その後の「選択と集中」によるM&Aでビジネスを組み換え、業績はV字回復を果たしたが今後の運命は?
米外食業界で大型売却が相次いでいる。米飲食大手ヤム・ブランズは2026年6月、傘下のピザチェーン「ピザハット」を総額27億ドルで売却すると発表した。そのわずか1週間前には、米スターバックスが日本事業の売却や再上場を検討していると報じられた。
三井化学は、日本を代表する総合化学メーカー。しかし、現在は「グローバルスペシャリティカンパニー」への転換を掲げ、事業ポートフォリオの大規模な組み替えを進めている。同社の「成長分野への資源集中」と「非中核事業の整理」を支えているのがM&Aだ。
ブラザー工業は、1世紀以上の歴史の中で幾度も事業構造を変えてきた企業である。創業期はミシンメーカーとして成長し、その後はワープロなどの電子機器へと事業を広げ、1990年代以降はオフィス・家庭向けプリンターで世界的な企業へと発展した。そして現在、同社は再び大きな戦略転換に取り組んでいる。その原動力になるのがM&Aだ。
「選択と集中」バブル崩壊後の日本経済で最も語られてきたワードだろう。それに最も成功したと評価されているのが日立製作所だ。かつては「総合電機」の代表格だったが、現在は 「社会インフラ×デジタル企業」へと姿を変えている。その手段がM&Aだった。
シャープは1973年に世界初の液晶電卓を発売して以来、「液晶のシャープ」として成長した。液晶テレビ「AQUOS」を投入し、2000年代中盤には液晶テレビ世界シェアトップに立つが、2010年代に同社の業績は低迷。そこにはM&Aが関わっていた。
企業の事業構造は通常、時間をかけて徐々に変わる。だがソニーグループはM&Aという経営手段を通じて事業ポートフォリオを大胆に変え、創業時とはまったく異なる企業へ進化してきた。エレクトロニクス企業の同社が、なぜコンテンツ企業へ転換したのか。
「マウスコンピューター」で知られるMCJがMBOに乗り出した。その狙いの一つが、既存事業とのシナジー創出を重視するM&Aだ。同社はこれまでもM&Aで事業を拡大してきた。そこで同社のM&Aの流れと、何がMBOにつながったのかを振り返ってみた。
総合重工業メーカーのIHI<7013>は、多彩なM&Aを通じて事業ポートフォリオの見直しを進めてきた。その一連の動きには、成長分野の強化とともに、競争力の低下や市場の成熟が懸念される事業の売却を通じた「選択と集中」の明確な意思が読み取れる。
マヨネーズ、ドレッシングで国内最大手のキユーピーは、M&Aを通じて事業ポートフォリオの最適化と持続的成長の実現を狙う。国内市場での経営効率化と、成長が見込まれる領域への投資を両輪とする経営戦略で、M&Aはこれを推進する重要な手段となっている。