menu
Social media

法律・マネー

押さえておきたい大量保有報告書の“報告義務”とは(第3回)

Cover 2f56dc4e 6424 432f 8424 72f0ca688078

株式を誰が(どの会社が)、どれだけ保有しているかを知ることができる「大量保有報告書」。その報告義務について、本稿では詳しく解説していきます。

前回(記事はこちら)は報告義務が発生する対象や、特例報告制度について解説しました。最終回となる今回は、提出のタイミングや、提出しなかった場合の罰則について見ていきましょう。

ポイント③ 提出のタイミングと「訂正報告書」について

■提出方法

保有者が大量保有報告書、変更報告書をHTMLで作成*し、EDINETサーバに登録することで提出となります。このEDINETへの提出は2007年4月から法人・個人を問わず、義務化されています。
(*)コンピュータに不慣れな個人の方にはHTML作成は難しいと思われますが、必要事項を入力すると簡単に報告書用HTMLに変換してくれるExcelファイルがEDINET側から提供されています。

また、法令上では内閣総理大臣に報告書を提出した後、証券取引所、発行会社に遅滞なく写しを送付することになっていますが、EDINETに提出すれば、自動的に写しを送付したものとみなされる仕組みになっています。
(株券等の大量保有状況の開示に関する内閣府令(第22条の3)によると、株券等の保有者はあらかじめ発行会社に対し、EDINETの登録で写しとして良いかということを書面などで了解をもらう必要があります。)

■提出義務日

保有割合が5%を超えた時に大量保有報告書を、それ以後1%以上変動した時や報告書に記載すべき重要事項に変更があった時に変更報告書を提出する義務があります。この日時を提出義務日といい、通常は売買の約定日になります。遺産相続による入手では相続分与が確定した時になります。

なお、1日の売買を通じて、瞬間的に保有割合が5%を超えたり、1%以上変動したりすることもあり得ますが、あくまで当日の終了時点で前日の終了時点との比較において考えれば良いことになっています。

■提出期限

大量保有報告書、変更報告書とも提出義務が生じた日(約定日)から5営業日以内です。(この営業日は証券取引所の営業日と一致しています)

たとえば、提出義務日が月曜日だとすると、直近で祝日のない場合には、翌週の月曜日が提出期限となります。

■訂正報告書とは

大量保有報告書・変更報告書を提出した後で、内容が事実と食い違っていたり、重要な事実の記載が不十分だったりした時は、訂正報告書をEDINETに提出します。

不備が発覚した場合は、金融庁が提出者に訂正報告書の提出を命じることもできます。
訂正報告書には様式が特に定められていませんが、訂正前と後とが分かる形での記載が求められています。

なお、EDINETへ一旦報告書を提出すると取り下げることができないので、単なるミスでも訂正報告書を提出することになります。間違って様式の雛型のまま白紙で提出してしまい、すぐに訂正報告書として本来の報告書を提出したケースも、過去には確認されています。 

大量保有報告書

NEXT STORY

【Watch it】大量保有ウォッチ(1)米国最大の年金基金 カルパースの運用実態を追ってみる

【Watch it】大量保有ウォッチ(1)米国最大の年金基金 カルパースの運用実態を追ってみる

米カリフォルニア州職員退職年金基金(通称カルパース)は、金融マーケットでは有名なビッグプレイヤーですが、最後に大量保有を提出したのは、2009年です。かなりの日本株を保有しているはずなのですが、現在の運用実態はどうなっているのでしょうか。大量保有データベースから追ってみましょう。


注目の記事

Thumb fc758a30 9e49 4944 852f 5ed8848b7dbd

人事・総務のプロに聞く「M&Aにおける人事労務の留意点」その1

M&Aというと、買収価格等の条件面が注目されがちだが、「ヒト」の問題に関しても周到に準備しておかないと、労務トラブル等で思わぬコストが発生する、ということになりかねない。今回はM&Aを行う際の人事労務関係の留意点や制度統合などに関して、社会保険労務士法人三島事務所でM&Aに関する人事制度策定やコンサルを多数手掛けている林英臣マネージャーに伺った。

Thumb aab5828a 4508 4f87 9de8 fbb6c17f616d
Thumb 908a9947 090a 4a59 95da 01affa6e6c70
Thumb e1cc3fb2 2d9a 4362 945f ba6d406ee29f