押さえておきたい大量保有報告書の“報告義務”とは
株式を誰が(どの会社が)、どれだけ保有しているかを知ることができる「大量保有報告書」。株式を大量に保有する側の立場から、その報告義務について解説します。第1回目は、基本の流れを追って解説します。
日常業務として株券等の売買を行う機関投資家にとっては、毎日、保有割合を計算し、報告書を提出するのでは事務作業が大変です。そこで、一定の条件を満たせば、毎日でなく2週間に1度の保有割合の判定と報告で良いことになっており、これを「特例報告制度」といいます。(金商法27条の26第1項)
その条件とは以下のとおりです。
・機関投資家(金融商品取引業者(第一種金融商品取引業者および投資運用を行う業者に限る)、銀行、信託会社、保険会社、農林中央金庫、商工組合中央金庫、銀行等保有株式取得機構、預金保険機構、国及び地方公共団体など内閣府令で定める者)であること
・投資目的が純投資であること(発行者の事業活動に重大な変更を加え、または重要提案行為等を行うことを保有の目的としないこと)
・基準日の届け出を行っていること
・保有割合が10%以下であること(保有割合が10%を超えると一般の報告となり、毎日保有割合を判定することになります。)
なお、特例報告の基準日は、以下のどちらかを選んで事前に書面で届け出をすることになっています。
(1).第2月曜日と第4月曜日(または第5月曜日)
(2).各月の15日と末日
以上、報告義務に関する基本的事項について解説しました。特例報告の基準日などを意識して閲覧してみると、また違った観点からの発見が得られるのではないでしょうか。
次回は提出方法の詳細や、大量保有報告書を提出しなかった場合の罰則規定について取り上げます。記事はこちらからどうぞ
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文:M&A Online編集部
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