【キャリア】経営統合後の社風の変化、自分で気付くための「外的キャリア」「内的キャリア」とは?

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キャリア・コンサルタントのワンポイントアドバイス

「自分はどうしたいのか?」~自分自身を客観視する機会を設けましょう~

 M&Aなど予期せぬ出来事により職場環境や業務内容、一緒に働くメンバーなどが変わってしまったら、どうすればよいと思いますか。このような事態にもやもやとしたり、仕事に面白みを感じない時は、キャリア・コンサルタントなどの第三者に話すことで、自分自身の今の状態を客観視することができます。この整理ができないと、悩みが堂々巡りになったり、自分が下した決断に迷いが生じたりするのです。

 自分らしく働き続けるためには、地位や肩書きよりも仕事へのやりがいや価値観が重要になります。前者を「外的キャリア」、後者を「内的キャリア」と言います。外的キャリアとは、「どこで何の仕事をどういう肩書きでしているのか」いわゆる名刺に書かれている部分を指します。かつての右肩上がりの日本では、外的キャリアの動機付けだけで十分でした。

 ところが将来に対する不確実性が増す今日では、キャリア選択の局面が何度も訪れるため、キャリア選択を会社に委ねるのはある意味で危険です。仕事を通しての自分の存在価値や意義、なんのために生きるのか、働くのか・・・など、やりがいや生きがいを通して自分のなりたい姿に向けた自己実現をすること、つまり表面には見えない内的キャリアが働く原動力となるからです。

 冒頭のAさんの悩みのように、「仕事がワクワクしない」という相談は、キャリアアップ転職をしたいという気持ちがある場合も含めて、内的キャリアの部分が大きく影響しています。Aさんはカウンセリングで、「周囲も実力を認めてくれています」「技術力で負けるのは納得がいく」「開発に没頭したい」と語ることで、ご自身の仕事への想いや価値観が明確になってきました。その結果、今どうしたいのかを、Aさんがご自身で気づくことができるようになりました。

 身近にキャリア・コンサルタントがいない場合は、この人なら、という方に思い切って話をしてみるのもよいでしょう。1人で抱え込まずに話すことで、自分に対する気づきが生まれます。自分との対話を通じて自分に対する理解も深まり、予期せぬ出来事にも冷静に対応できる、決断できる人になれるのです。

 ※人物の特定がされないよう、一部内容を加工しております。

文:キャリア・コンサルタント 砂川未夏/編集:M&A Online編集部

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