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後継者を育てるための「トップマネジメント教育」の要点

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多くの役員層が課題感として口にする、「後継者の育成」。しかし、自分自身どうやって役員に必要とされる知識やスキルを身に付けてきたのかと問われると、これがなかなか答えづらいもの。

研修や本を通して学んだことは限られており、「こうすれば確実に身に付けられる」という魔法のようなメソッドがあったわけでもない。だからこそ、多くの経営者や役員たちにとって、後継者育成が悩みの種となっているのでしょう。

大半の役員の頭を悩ます課題が「後継者の育成」

弊社では、役員層を対象とした研修の受講前に「現在の組織における課題」をお聞きするアンケートを実施しています。

最も多く挙げられた課題は「人材育成・後継者育成・スキル継承」であり、次いで「組織体制・役割責任・管理基盤」、「収益・業績・顧客開拓・事業成長」と続いています。もう少し下の階層の方たちに実施するアンケートだと、「業務改善」や「社内コミュニケーション」といった、より実務寄りの課題が上位に挙がってくるのですが、そこに役員層ならではの視座の違いが表れているといえるでしょう。

自身も体系的に経営者育成教育を受けたことがない

現役の役員の多くは、キャリアを積む中でいわば「自然に」経営層へと上がってきた方が大半です。その途中で「マネジメント研修」などを受ける機会はあったでしょうが、「経営者になるためのいろは」を体系的に学んだことのある人は、実は多くありません。現場で結果を出し、マネジメントを経験し、気づけば経営者のそばで意思決定を補佐するポジションにいた――そういったケースが非常に多いのです。

その結果、後継者を育てようとしたときに「何を、どのように教えればよいか」という問いに詰まってしまう。自身の経験は豊富でも、それを体系的に言語化・整理して伝えるためには、また別のスキルが必要になるからです。

次の経営層に「本当に必要な知識」とは何か

では、一般的に役員候補者に受けさせる研修プログラムにはどのようなものがあるのでしょうか。ひとつは経営学の教科書的な知識を体系的に学ぶもの、もうひとつは有名企業のケーススタディを学ぶものが挙げられます。これらを学ぶことに意義はもちろんありますが、実際の経営の現場ですぐに役立つかと問われると、残念ながらそうではないでしょう。使える知識・スキルとは、もっと泥臭く実践的なものなのです。

そこで、経営の後継者育成を以下の3つの軸で整理することにしました。

1.「経営の基本」――数字を読み、意思決定の根拠を持つ

経営者にとって、財務数字は「言語」です。売上、利益、キャッシュフロー、バランスシート――これらを正しく読み解く力がなければ、自社の現状を正確に把握することができません。重要なのは、会計士のように精緻に分析することではなく、「何を見れば会社の状態が分かるか」「どの数字が悪化していたらアラートを上げるべきか」を感覚として持つことです。

また、外部環境の変化を踏まえた経営戦略・経営計画の立て方、リスクマネジメントの考え方など、経営の全体像を俯瞰できる視点を養うことが求められます。

2.「売上拡大」――営業組織を仕組みで動かす

「収益・業績・顧客開拓・事業成長」といったキーワードで挙げられる課題感は、アンケートでも上位に位置しています。平たく言えば、「どうやって売り上げを拡大すればいいか」ということです。そこで問われるのは、「営業が成果を出しやすい仕組みができているか」という点です。例えば、分析可能な顧客データベースの整備、訴求力のある提案書のフォーマット化、営業人材の採用・育成の仕組みづくりなど、組織として売上を生み出す基盤を具体的に整えることが求められます。

3.「人事戦略」――人材を戦略的に動かす

アンケートでは、「人材育成・後継者育成・スキル継承」に加えて、「組織体制・役割責任・管理基盤」や「人材不足・採用・配置」といった、いわゆる「人絡み」の課題が多く挙がっています。これらの課題は、人事部門が主管することの多いテーマではありますが、人事戦略とは本来、経営戦略の一環として位置付けられるべきものです。

限られた人的リソースをどう活用することでパフォーマンスの最大化を図ることができるか。これが人事戦略の究極のテーマであり、当然、全役員が関心をもってそれに与すべきものとなります。

「経験から学ぶ」だけでは限界がある――体系的な学びの場の重要性

確かに、今の役員たちの多くは「経験」から多くのことを学んできたことでしょう。しかし、後継者育成を経験だけに頼ることには限界があります。まず、そもそも経営を学ぶ経験機会自体が限られますし、自分が経験していない局面には対応ができず、経験したことだけに引っ張られるバイアスのリスクもあります。

だからこそ、次の経営層候補には、現場経験と並行して体系的に「経営者としての視座」を学ぶ機会を提供することが重要です。しかも、教科書的な理論ではなく、実際の経営現場に即した「生きた知識」として学べる機会が求められるのです。

株式会社インソース より

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