柔軟な資本構成により、高いROEを維持しつつ、社内ハードルのROICは下げられます。ROICは社内の業績管理指標であり、外部公表はROEだけにとどめるべきです。
ある程度の有利子負債を抱える普通の会社が、どのようにしてROEを向上させることができるかについてシミュ―レーションを行います。
今回はこれまで出てきた「ROIC」「ROE」「WACC」の関係性をお話したいと思います。
目標とすべきROICは一定とすべきではなく、予想利益の変化に応じて負債活用とともに柔軟に変化させることが重要なポイントです。
各事業がROICを高めるためには、「利益の拡大」と「投下資本の膨張抑制あるいは圧縮」が重要となります。
投下資本利益率ROICは、部門に投下された資金に対していくらの利益を上げたのかという資本効率性資本でROEと考え方は同一です。今回はROICの導入とその意味するものについて考えてみたいと思います。
今回から第三章「それともROEで会社を変えますか?(その2:有利子負債を持つ普通の会社の場合)」の連載がスタートします。有利子負債を持つ企業のROE改善はどのようにしたらよいでしょうか。