本格的なEV時代を迎え、日本経済にとって新たな懸念材料が浮上してきた。EVの基幹部品となるリチウムイオン電池の動向だ。世界の車載電池市場を席巻した日本勢に急ブレーキがかかり、中韓勢に追い越されている。なぜ、こんなことになってしまったのか。
EV Salesによると、2021年1−4月のEVとPHVの世界販売は前年同期比約2.7倍の151万9566台だった。単純計算では年間販売台数は3倍の455万8698台となる。これでも過去最高のペースだが、実際はさらに上振れしそうな勢いだ。
「水素車」が話題だ。トヨタの豊田章男社長が2021年5月に開かれた「スーパー耐久シリーズ2021 第3戦 富士24時間レース」で水素エンジン車のハンドルを握り、話題になったのは記憶に新しい。しかし、「水素車」は水素エンジン車だけではない。
三菱自動車が2024年3月期に、軽仕様の商用EVの車両価格を200万円以下に引き下げる。日本経済新聞が伝えた。2021年3月に生産中止した「ミニキャブ・ミーブ」をリニューアルし、現行価格の約2割引で販売する。軽EV市場への「本格参入」だ。
ホンダが燃料電池車(FCV)「クラリティ フューエル セル」の生産を年内に停止する。米ゼネラル・モーターズ(GM)とのFCV共同開発は継続するが、商用車向けが中心になるとみられる。FCV乗用車の開発からは、事実上撤退することになりそうだ。
EV用電池として本命視されている全固体電池。日本ではトヨタが2020年代前半の実用化を目指し、独VWは電池ベンチャーの米クアンタムスケープと共同開発中で2024年をめどに量産に入る予定だ。「全固体電池の時代」が、まもなくやって来るのだろうか?
トヨタ自動車がEV/PHVの世界販売でランクアップを果たした。米EV/PHV情報サイトのEV Salesによると、2021年第1四半期(1〜3月)のEV/PHV世界販売ランキングで、トヨタは前年同期の17位から14位へと3ランク上昇した。
「孝行息子が親を救った」と言えそうだ。トヨタ自動車の2021年3月期連結決算は新型コロナウイルス感染症のパンデミックに見舞われながらも、当期利益は前期比10.3%増の2兆2452億円と2ケタ増になった。その原動力になったのは持ち株会社だった。
「そう言えば、そういう話もあった」。明らかになった日産自動車と独ダイムラーとの資本提携解消は、もはや存在が忘れられるほど存在感が小さかったようだ。しかし、この解消には日産にとって大きな意味がある。ダイムラーとではなく仏ルノーとの関係で、だ。
日産自動車が独ダイムラーの持ち株約1.5%の全てを売却する。売却額は約10億ユーロ(約1300億円)の見込み。親会社の仏ルノーも保有するダイムラー株を全て売却しており、日産の売却も時間の問題とみられていた。3社提携とはどんなものだったのか?