2019年中に希望(早期)退職者の募集を発表した上場企業は30社を突破した。M&A Online編集部が調べたところ、少なくとも34社に上り、前年のほぼ3倍に急増した。削減規模も8000人を超える。
日本総合研究所が10月に「業種別にみた人手不足の見通しと課題」と題するレポートを発表した。人手不足の深刻度合いについて業種間で格差があると指摘し、今後5年間の就業者数の変化を業種別に試算している。
希望(早期)退職者の募集に踏み切る上場企業が増加の一途をたどっている。11月だけで5社が計画を発表し、その顔ぶれも味の素、LIXILグループ、ファミリーマート、ノーリツ、オンキヨーと有名どころが並ぶ。今年に入ってからだとすでに27社に上る。
事業再生は良く医療に例えられる。企業を人に例えれば健康診断の検査数値が悪い(業績が芳しくない)ため、ドクター(=企業再生の場合はコンサルタントなどのプロフェッショナル)の元に相談に来る。医療で言えば初診に当たる。では、実際にはどう動くのか?
人員削減などリストラの動きが広がっている。三井E&Sが子会社など資産売却と1000人規模の削減・配置転換を柱とする経営再建策をまとめたほか、オンキヨーは約100人の希望退職者募集を発表した。セブン&アイは3000人を減らす。
希望退職者募集の動きが加速している。「秋の陣」を迎えた9月以降、サンデンホールディングス、手芸専門店の藤久など4社が計画を発表した。これにより、今年に入って希望退職者募集を打ち出した企業は20社を超え、前年比倍増の勢いだ。
希望退職者を募集する上場企業が後を絶たない。8月はレナウンが約150人、アサヒ衛陶が約15人を募集すると発表。中村超硬は新規事業撤退に伴い、募集を計画中。下期の希望退職者募集は7月の3社と合わせ、すでに6社と増勢をキープしている。
上場企業の間で人員削減の動きが強まっている。7月に入り、TATERU、キョウデン、富士通フロンテックの3社がすでに早期退職者の募集を発表。早期退職者募集は上期で12社に上り、昨年1年間にほぼ並んだが、下期は勢いがさらに増すことが予想される。
早期・希望退職者を募集する動きがじわりと広がっている。大型連休が明けて、オンラインゲーム開発のAimingが40人程度、東芝は半導体関連子会社で約350人の早期退職者募集を発表。2019年に入って募集を発表した企業数はすでに10社を超える。
上場企業の間で希望退職者を募集する動きが広がりつつある。昨年は年間を通じて12社(東京商工リサーチ調べ)だったが、今年は3カ月足らずですでに7社に上る。このままのペースが続けば、前年件数を上回るのは時間の問題だ。