女性社長の出身大学は、日本大学が326人(前年272人)で6年連続トップを維持した。
2位は東京女子医科大学の262人(同232人)。3位は慶応義塾大学の246人(同228人)。4位以下は、早稲田大学208人、青山学院大学205人、日本女子大学183人、同志社大学150人、共立女子大学127人と続く。
国公立大学では、14位の東京大学が99人(前年93人)でトップ。次いで、24位に九州大学71人(同50人)、25位に千葉大学70人(同50人)、25位に広島大学70人(同62人)、29位に北海道大学67人(同60人)が入った。上位30位までに女子大は7校(前年9校)がランクインした。
女性社長の名前の1位は、「和子」が4,371人で6年連続トップ。2位が「洋子」3,657人、3位は「幸子」3,615人で、上位3位は前年と同じ顔ぶれ。以下、「裕子」2,876人、「京子」2,526人、「恵子」2,472人、「久美子」2,470人の順。トップの「和子」は、昭和初期から昭和27年(1952年)頃まで、女性の生まれ年別の名前ランキングトップだったことも影響していると思われる。
上位20位では、「子」が付く名前が大半だが、唯一19位に「明美」(1,517人)がランクインした。20位以下では、30位に「由美」、36位に「直美」、37位に「真由美」、41位に「和美」、44位に「薫」が名を連ね、世代交代の兆しもうかがえる。
名前の都道府県別では、「和子」が33都道府県で最多だった。この他では、「幸子」が8県(岩手、栃木、埼玉、愛知、福井、滋賀、鳥取、宮崎)、洋子が5県(宮城、福島、広島、香川、大分)でトップを占め、沖縄では「悦子」が最も多かった。
上場企業の女性社長(代表執行役を含む)は30社(判明分、2015年12月現在)だった。産業別では、最多が大塚家具や日本マクドナルドホールディングスなど「小売業」とトレンドマイクロやネットイヤーグループなど「情報・通信業」の各6社、次いで、化粧品メーカーを含む「化学」の5社と続く。増勢が目立つ女性社長だが、上場企業での割合は全体の1%にも満たず、今のところ中小企業や個人事業が中心になっている。
女性社長の増加は、政府が成長戦略の柱の一つに「女性の活躍推進」を位置づけたことも追い風になっている。また、少子化を背景に、同族企業が多い中小企業では、能力が高くて事業意欲のある娘に経営を託す企業も増えている。さらに自治体や金融機関でも、女性の「プチ起業」を支援する環境が改善され、創業融資の実績が伸びている。こうしたことから、当分は女性社長の増勢が続くとみられる。女性の起業や経営者の増加は、経済活性化につながることが期待されるだけに、よりきめの細かい成長戦略に沿った実効あるサポートが求められる。