【ストックオプション事例研究】Klab 新株予約権(有償ストックオプション)発行
Klabが有償新株予約権を発行した。 この有償ストックオプションにはノックアウト条項が付されている。同社の要領や条件から、割当者や既存株主に対する条項を付けることの意味とメリットを考える。
・ストックオプションの割当時に48円/株の払込が必要
・払込を行うと、ダブル・スコープ株式会社の株式を1,700円/株で取得可能になる(1,700円/株は平成27年1月~12月の終値平均)
・よって、将来株価が上がった時(例えば5,000円/株になった時)に行使・譲渡すれば、3,300円/株の譲渡益が得られる(譲渡益には20.315%の所得税しか課税されない)
・但し、ストックオプションの行使には業績条件あり(売上高:91/114百万米ドル以上、営業利益:2,100/2,340百万円以上等)
→なお、参考までにダブル・スコープ社の平成27年12月期連結売上高は7,448百万円、連結営業利益は1,909百万円
有償ストックオプションには上記のようにノックアウト条項が付されることが通常であり、将来における行使の確実性が担保されないため、低い価額(48円/株)で発行可能となります。(有償ストックオプションの発行自体はあくまでストックオプションの公正価値発行のため、取締役会決議による発行が可能)
また、業績条件をつけることで、「ストックオプションが行使可能になる=会社の業績が上がっている=株価が上がっている」という図式が成り立つため、既存株主の理解も得られやすくなります。
なお、ダブル・スコープ株式会社の有償新株予約権付与にかかる取締役会決議の前日終値は4,305円であり、ストックオプションの行使価額1,700円はかなり低い水準に見受けられます。
しかし、これを織り込んだ上で行われた第三者評価(モンテカルロ・シミュレーション)により、新株予約権の公正価値が48円と算定された以上、やはりあくまでストックオプションの公正価値発行(有利発行ではない)と位置づけられるため、取締役会決議による発行がなされています。
文:株式会社Stand by Cホームページ 事例研究(2016.05)より転載
Klabが有償新株予約権を発行した。 この有償ストックオプションにはノックアウト条項が付されている。同社の要領や条件から、割当者や既存株主に対する条項を付けることの意味とメリットを考える。