「北海道歯科産業」開業から閉院までトータルに支援|【東証PRO】

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道内の歯科医療業界を支える(写真はイメージです。Sergeyryzhov/iStock)

北海道歯科産業(札幌市白石区、山田哲哉社長)は70年以上にわたり歯科医療機器・歯科材料の販売業として北海道内の歯科医療を支えてきた。道内で25%余りのシェアを持つ“歯科医療業界”の老舗企業といって差し支えない。

その同社が2020年11月16日にTOKYO PRO Marketに上場した。全国的に歯科医の高齢化が進み、歯科医院数が減少する逆風下、堅調な業績を示している。

グループ内再編を経て現在の姿に

北海道歯科産業は1946年10月に高島歯科商会(創業者は高島正二氏)として北海道旭川市に創業した。1952年4月に法人化した際、北海道歯科産業に社名を変更した。その後、増資や本店移転を重ね、札幌営業所(1957年4月に開設)を1972年5月に別法人とした。その社名が「株式会社北海道歯科産業」。少し紛らわしいが、“前株”か“後株”かの違いである。

そしてグループ内再編によって1990年8月に、(株)北海道歯科産業は北海道歯科産業(株)に吸収合併される。合併に伴い、(株)北海道歯科産業の本店は北海道歯科産業(株)の札幌支店となった。

2002年、北海道歯科産業は設立50周年を迎える。その翌年、それまで旭川市にあった本店を札幌支店に移し、従来の本店を旭川支店とした。2005年5月には本店を現在の札幌市白石区に移した。

正社員は50人強、臨時雇用者30人弱と決して大きな組織ではないが、北海道をフルカバーする効率的な体制をつくり、時代の波に乗って成長を遂げた。

歯科医院の開業から閉院までをトータルにサポート

現在の主力事業は歯科医療機器・歯科材料の販売で、売上高のほぼ9割を占める。最大のセールスポイントは歯科医院の開業から閉院までをトータルにサポートすることにある。

開業支援にあたっては不動産関連の資格を持つ社員が物件探しから支援し、開業後は歯科医療機器・歯科材料を販売するとともに、歯科医療従事者向けの各種セミナーを企画・開催して有益な情報の提供を続ける。歯科医療機器のメンテナンスも担う。

歯科医院が閉院する場合は売却や事業承継、また“居抜き”での次の入居者(歯科医院)探しなどのサポートを行う。まさに歯科医院の“ゆりかごから墓場まで”をトータルで支援していることに強みがある。東京プロへの上場の背景にはそうした公益性を踏まえた事業展開への信用力の強化という面もあるだろう。

過当競争が続く歯科医療業界での新機軸

歯科医療業界は歯科医の高齢化や歯科医院数の増加で厳しさが増している。2020年年初時点の歯科医院数は全国で約6万8500医院(厚労省データ)。よく比較されるコンビニ店舗数は同時期で約5万5000店(日本フランチャイズ協会データ)。実は、コンビニの数より歯医者の数のほうが多いのだ。歯科医院は飽和状態・過当競争の時代が続き、いまや閉院も多く、毎年全国で2500医院前後が閉院している。

この趨勢は北海道でも変わらない。主力事業が保険診療・保険材料であり、売上高・利益の急激な増減はないだけに、これまで主力事業であった歯科医療機器・歯科材料の販売とは異なる事業の比重を高めることが求められる。

同社は、前述した歯科医院のトータル支援の中でも不動産事業や歯科医療機器のメンテナンス事業により力を入れている。本店のある札幌の不動産事業部をこの3月に「開業・承継支援室」と改称し、新規・閉院医院や後継者のマッチング、人材紹介を含めた開業・承継の支援に乗り出した。

また、修理に関してはメーカー担当者に代わり、メーカーに認定を受けた自社社員が対応する修理の内製化を積極的に進めている。自社商品センターでは約3万5000点の在庫を保有し、即納体制を構築している。

◎北海道歯科産業の業績推移(単位100万円、△は損失。同社決算資料から)

18/3期 19/3期 20/3期 20/9(中間)期
売上高 4,463 4,275 4,611 2,225
経常利益 46 44 42 4.9
純利益 26 22 △7.6 1.4

同社ではデンタル・ソリューションを標榜し、対面営業を得意としてきたが、それも新型コロナウイルス感染拡大の影響で制約される状況が続いている。そうした逆風の中、地域の歯科医療への貢献はもちろん、口腔ケアをはじめとする健康需要により即応できる体制で臨んでいる。

文・M&A Online編集部

M&A Online編集部

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