2008年、プロ向け市場制度として東京証券取引所にTOKYO PRO Marketという新市場が生まれた。それから10年ほどの間に、いくつもの個性的な企業が上場を果たしてきた。「動力」が上場を果たしたのは2015年8月。本社は愛知県安城市。上場の頃から積極的にM&Aに取り組んでいる。

太陽光発電の関連器具を開発

失礼ながら、社名からだけでは、どんな事業を行っているのかわかりにくい企業がある。動力はその1つに違いない。いったいどんな会社なのか。まず、その社名に行き着くまでの経緯を見ておきたい。

動力の創業は10年余り前の2008年12月。愛知県蒲郡市で創業し、社名はスズキ太陽技術だった。鈴木竜宏社長の苗字と主力である太陽光をはじめとする環境商材の販売・施工を端的に示す社名である。

本社を安城市に移したのは2010年。翌2011年、高島と国内住宅用太陽光発電設置金具「瓦アンカー」「Dアンカー」を共同開発する。その後も、動力(スズキ太陽技術)と高島は国内住宅用太陽電池ラックシステムや瓦用設置金具などの太陽光発電器具製品を共同開発していった。

2010年代の初期は太陽光ビジネスがにわかに脚光を集めていた時期。その業界において人材育成の重要性を感じたのであろう。2013年には安城市に人材開発センターを開設した。そして翌2014年、人材開発センターの隣接地に本社を再移転した。

その後、動力は2015年のTOKYO PRO Marketへの上場までに、大波スレート専用設置金具、折板屋根用直付金具、折板屋根用10度架台、折板屋根用0度架台、産業用設置金具などを開発し、ISO14001を認証取得するなど、製品技術開発の腕を磨いてきた。

PROへの上場以降は従来の製品開発を強化するとともに、東海地区への営業網を整備・拡大する。また、M&Aでは上場年の2015年12月にTAKグリーンサービス(東京都中央区)を子会社化し、翌2016年には大香電工(愛知県西尾市)の株式を取得して子会社化している。

子会社の社名を本社名に据える

ズズキ太陽技術から動力に社名変更したのは上場の翌年である2016年4月。子会社化していたTAKグリーンサービスと大香電工を合併したうえでの社名変更だった。

実は動力という社名は、旧社名のスズキ太陽技術時代の2014年に設置した蓄電池の専門工事を目的とした子会社の社名。2015年3月にはその「動力」という会社を完全子会社化している。いわば、今後の同社の発展を期したとき、子会社の社名のほうがふさわしいと考えたのだろう。

社名変更の経緯について、鈴木社長は「太陽光発電だけでなく、エネルギー全般を扱う企業であることを知っていただくことが一つ。そして動力の英文表記はDORYOKU、努力(DORYOKU)を続けることで社会の動力になろうという意味も込めている」と、東京証券取引所の上場会社トップインタビュー『創』で語っている。

2018年に東京営業所、2019年に東北営業所を開設。主力の太陽光発電では定額利用サービスのほか、周辺事業としてスマートホームセキュリティ分野にも進出している。2019年には、太陽光発電設置棟数が累計1万6000件を突破した。