業歴別では、10~50年未満が665社(構成比42.4%)と最多。次いで50~100年未満487社 (同31.0%)、100年以上98社(同6.3%)と続く。業歴50年以上が37.3%、同100年以上も6.3%と、旅館・ホテルは歴史ある老舗企業が多いことがわかる。
景気回復による国内旅行者や訪日外客数の増加で、旅館・ホテル運営業者の業績は好調なことがわかった。今 回調査した1,569社のうち、ほぼ半数の48.2%が増収、41.0%が増益だった。特に、大都市圏や人気の高い観光地の沖縄県、山梨県などで増収が目立った。ただ、大都市圏から離れ、インバウンド効果が得られにくい岩手県、茨城県、新幹線開通前の富山県などは減収企業の割合が高かった。
政府は平成28年(2016年)度予算で観光庁関連として前年度比2.36倍の245億4,500万円を計上し、旅館・ホテル業を後押しする。東京オリンピック開催を控え、宿泊施設の不足から「民泊」への注目も高まっている。ただ、現状の民泊需要は、東京都や大阪府などの大都市圏と人気観光地に限定されるだろう。「地方創生」には、地方の旅館・ホテルも一体となり一過性でない地域の魅力向上への取り組みが必要だ。
旅館・ホテル業者は売上高5億円未満の小・零細規模が多い。また、地方ほど赤字企業が多い実情を踏まえ、観光資源をどう地方活性化に繋げられるか国、自治体、企業の取り組みが注目される。