支配権最上位企業の本社 東京都がトップ

 759拠点の支配権最上位企業は343社で、日系企業1社当たり2.2拠点だった。支配権最上位企業の本社は東京都が最も多く187社(構成比54.5%)だった。

 イギリスに進出している日系企業は343社で拠点数は759拠点であることがわかった。現地拠点の産業は、製造業が264拠点(構成比34.8%)と最 も多く、次いでサービス業の165拠点(同21.7%)や金融・保険業の107拠点(同14.1%)など多岐にわたっている。

 東京商工リサーチが2015年10月8日に実施した「日系企業の中国天津市進出状況」調査では、日系企業161社が205拠点を天津市内に拠点を構えて おり、拠点数に占める製造業の割合は71.7%に及んでいた。こうしたことから、日系企業は中国天津市を製造の場として、イギリスは製造のみならず消費を 取り込む場として位置付けていると捉えられる。

 イギリスがEUを離脱した場合、ポンドの下落や域内での貿易に係る関税の優遇措置の適用除外などにより経済面での不利益も考えられる。円高ポンド安は、 日本より部品を輸出しイギリスで製造した後、域内へ出荷している日系企業の価格競争力を低下させる。また、EUに属していたことによる様々な通商・法制度 上のメリットがなくなると日系を含む外資系企業がイギリスから撤退や拠点を縮小することも想定され、これらの企業を顧客としている日系企業の業績に大きな 影響を与えるかもしれない。

 今回の調査で、現地拠点の14.1%が金融・保険業であることもわかった。ポンドやドルの調達コストが上昇した場合、これらの企業収益が悪化する恐れがある。

 残留の場合でも、今後も離脱の可能性を残すことになり、大企業を中心にイギリスに置いていたEUを統括する拠点の役割縮小や、他のEU加盟国への機能移 転がなされる事態も想定される。中小の日系企業は、イギリスのカントリーリスクが顕在化したことで、単独でのイギリス進出を見直し、他社との合弁や商社経 由での商流開拓へ舵を切る可能性もある。

 離脱、残留のいずれの結果でも、日系企業への影響は避けられないだろう。


2016年6月23日東京商工リサーチ「データを読む」より