上場企業はいつ何時、アクティビストや対立株主の標的になるかもしれない。近年、株主提案が増加し、事業会社による敵対的買収も珍しくない。そうした場合に主戦場となるのが株主総会。本書は「有事」における株主総会の実務的対応について多角的に解説した。
短期間の大量買付けに対する買収防衛策として新株予約権の無償割当てを行おうとしたことに対し、大量買付者がこれを仮に差し止める旨申し立てましたが、東京高裁は却下しました。本件はMoM要件が設定されており、参考となる先例として紹介します。
最高裁にて買収防衛策としての新株予約権無償割当ての差止め仮処分が認められた近時の事案をご紹介します。本事案は買収防衛策の具体的な運用を考慮して差止め仮処分が認められたという点において、注目に値するものといえます。
経済産業省が2022年11月に発足したM&A市場における「公正な買収の在り方に関する研究会」の論議が、今春の取りまとめに向けて大詰めを迎えている。
経済産業省は、2022年11月18日、「公正な買収の在り方に関する研究会」を立ち上げました。買収提案に対する当事者の行動の在り方や、買収防衛策の在り方等について検討を行うことが予定されています。
本件は、複数の株主によるウルフパック戦術を含む、経営支配権取得に向けられた「共同協調行為」の取扱いが脚光を浴びるきっかけとなり、限られた時間の中で買収防衛策を適切に運用しなければならない、という実務の難しさを改めて感じさせられた事案といえる。
経済産業省は11月18日、「公正な買収の在り方に関する研究会」を発足した。公正性担保措置の重要性はこれまでも叫ばれてきたが、なぜ今なのか。研究会の狙いから、M&A市場に横たわるドメスティックな課題を根本的に解決しようとする強い姿勢が窺える。
大阪高裁は、経営支配権争いの中で資本業務提携契約を締結することを目的として行われた新株発行が「著しく不公正な方法による」ものであると差止めが求められた事案において、新株発行の差止めを認めませんでした。(大阪高決令和4年2月10日)。
買収防衛策を巡って活発な議論が行われるのは、日本の買収やその防衛策の法理は欧米とは異なるため、当然であり、今後のM&Aマーケットの発展のためには有益なことであると思われる。
米国デラウェア州の判例法は日本の判例法と異なり、買収防衛策の導入・発言を「取締役会」のみで決するが、買収防衛策の適法性はどのように判断しているか。
2021年は、敵対的買収が過去最高の8件となり、買収防衛策の適法性が裁判となるケースが急増したが、今年に入っても新たに買収防衛を導入する会社や株主がその防衛策の適法性を裁判に持ち込むケースが相次いでいる。
名古屋地裁が2021年7月、株主による臨時株主総会の招集請求許可申立てを却下した事案を紹介します。会社法の規定及び定款の定めにより株主総会の権限とされていない事項については、株主提案権の対象にすることはできないと判示しました。
最高裁は7月28日、アダージキャピタルによる三ッ星株式取得に対する買収防衛策(新株予約権無償割当て)で買付者側の主張を認める決定を下しました。敵対的買収に詳しい柴田堅太郎弁護士・正木達也弁護士が本件における司法判断の概要とポイントを解説します
任天堂創業家の資産運用会社YFOが東洋建設に対し、全株取得を目的とするTOBを予告し株式市場から注目を集めている。TOB実務に詳しい柴田堅太郎弁護士に、本事案を理解する上で重要となる事項を整理してもらった。
イーロン・マスク氏が2022年4月14日、Twitterに1株あたり54.20ドル(約440億ドル)で買収提案を行ったところ、Twitterの取締役会は買収防衛策を検討し、翌日、満場一致で期間限定のポイズンピルを採用したと公表した。
佐々木ベジ・取締役会長率いるフリージア・マクロスは2021年4月以降、婦人フォーマルの東京ソワールの株を買い増した。フリージア社はソワール社を持分法適用会社化する意向を示し、2021年12月末現在で19.23%を持つ筆頭株主となった。
電気自動車大手のTeslaのCEOであるElon Musk(イーロン・マスク)氏がSNS大手のTwitterに買収提案を行い、Twitterがこれを受け入れたことが話題となっている。米国におけるM&Aの役割とは何なのか。
敵対的買収に対する防衛策に許容性に関する判例法理は「支配権争いの帰趨は原則として株主が決めるべき」とし、株主に支配権取得の是非についての判断を適切に行う機会を確保していれば、その買収防衛策は肯定されることが明らかになった。
株主が経営陣に対して経営改善の提言(キャンペーン)を行う活動(株主アクティビズム)が活発化しているが、近年、アクティビスト・ファンドとプライベートエクイティ・ファンドとの境界線が曖昧になってきている。
アジア開発キャピタルは25日、保有する東京機械製作所約279万株(32%)を読売新聞などへ譲渡すると発表した。アジア開発は今回の譲渡で16億2500万円の売却損を特別損失として計上する。
敵対的TOB(株式公開買い付け)の件数が過去最高水準で推移中だ。1月からの累計は6件で、今年の全TOB(59件、届け出ベース、11月24日時点)の1割を占める。2007年と並ぶ13年ぶりの高水準だった前年の5件をすでに上回る。
米議決権行使助言会社のISSが、新生銀行が今月の臨時株主総会で諮るSBIホールディングスに対する買収防衛策を支持したことが分かった。
11月5日、 米議決権行使助言会社グラスルイスが、新生銀行が今月の臨時株主総会で諮るSBIホールディングスに対する買収防衛策に賛成票を投じるよう株主に推奨したことが分かった。
10月29日、複数の関係者によると、東京地裁は、東京機械製作所の買収防衛策の発動差し止めを求めたアジア開発キャピタルの仮処分申し立てを却下した。
東京機械製作所が発動を目指す強硬な買収防衛策は認められるのか。会社側の同意がないまま買収を仕掛けられるケースが相次ぐ中、東京地裁が今月末にも下す判断によっては、企業が防衛策を発動するハードルが下がる可能性がある。