3月期決算上場企業の定時株主総会が6月末をもって終了した。その数は全上場企業のほぼ6割にあたる約2260社。このうち、物言う株主などから株主提案があった企業は90社を超え、過去最多となった。株主提案への賛否はどうだったのか、点検してみる。
6月27日は3月期決算上場企業の今年の株主総会集中日。経営陣の刷新や株主還元などを求める物言う株主(アクティビスト)との攻防戦も最高潮に達する。株主総会シーズンの最終盤を飾る注目会社にフォーカスする。
3月期決算上場企業の今年の株主総会集中日は6月27日。この日だけで約670社に及ぶ。投資ファンドから突き付けられた社長の解任議案について、別の大株主が同調する意向を示し、その採決が焦点になっているのが製紙大手の北越コーポレーションだ。
物言う株主との対立など株主総会をめぐる紛争の増加で、「総会検査役」を選任するケースがここ数年急増している。今年もコスモエネルギーホールディングス、フジテックなど8社10件(申し立て中を含む。6月14日時点)と前年に続き2ケタ台に乗せる勢いだ。
上場企業はいつ何時、アクティビストや対立株主の標的になるかもしれない。近年、株主提案が増加し、事業会社による敵対的買収も珍しくない。そうした場合に主戦場となるのが株主総会。本書は「有事」における株主総会の実務的対応について多角的に解説した。
名古屋地裁が2021年7月、株主による臨時株主総会の招集請求許可申立てを却下した事案を紹介します。会社法の規定及び定款の定めにより株主総会の権限とされていない事項については、株主提案権の対象にすることはできないと判示しました。
今年の総会はアクティビスト株主による提案が増加した。わが国は、株主が取締役会に大きく権限を委譲する「取締役優位モデル」である米国と異なり、株主の権限が強い「株主優位モデル」であるため、株主提案の役割は大きい。
「君、クビだから」とオーナー経営者の理不尽な一言で解任され、泣く泣く会社を去った取締役の悲話は決して珍しくない。瀬戸欣哉はLIXILグループの旧トステムオーナー家出身の潮田洋一郎に乞われて同社のCEOに就任するが、M&Aを巡り対立が深まる。
三菱UFJ信託銀行の調査によると、会社法に基づく株主提案を受けたのは前年比6割増の77社、議案数は前年比8割増の292件で、いずれも過去最多となり、アクティビスト株主からの提案も前年の17社から大幅に増加し、45社となった。
株主総会の行方に関心が集まっていたエレベーター大手のフジテック、海洋土木大手の東洋建設が6月23日、土壇場の攻防劇を繰り広げた。賛成か反対か、株主の判断が注目されていた議案が急転直下、取り下げられたのだ。