M&Aといっても経営権の掌握にまで踏み込む「買収」だけではない。将来の買収を視野に入れつつ、マイノリティー出資してまず少数持ち分を取得にとどめることが多い。その場合も、PMI(M&A後の統合プロセス)と呼ばれる作業は必要なのか?
最終回となる7回目のテーマは「ポストM&A成功の7要素」。連載ではポストM&Aを成功に導くための知っていればすぐに役立つ、すぐに使えるような内容に焦点を当ててきた。今回はそれらも包含する、ポストM&A成功の全体像をまとめる。
M&Aにおいて、子会社ガバナンスの基本方針が決まり、いざガバナンスの中身を具体的に設計する際、操作変数が多くてつまずくことが多い。そこで、今回は、多岐にわたるガバナンスの構成要素を網羅できる知見を紹介する。
M&Aに際して、親会社と子会社の間には、しかるべきルールが必要となる。本稿では、それを「子会社ガバナンス」と呼ぶ。買収後の子会社ガバナンスの方針をどう決めたら良いのか、要点を解説する。
子会社からの経営報告の質がイマイチだと、子会社の実情が分からないため、親会社としては、適当なフィードバックも支援もできない。だが、KPIが適切に設定されていれば、当該子会社からの経営報告の質は格段に上がる。
M&Aでは買収側と被買収側の企業文化の違いが往々にして取り沙汰される。ポストM&Aにおいて、企業文化が自然と醸成されていくのを待っている時間はない。GPS(Goal,Process,Share)の実践をぜひお勧めしたい。
みなさんの会社のM&Aに関連する稟議書にはこんなワードが使われていないだろうか。「XX事業基盤の構築」「XXとXXの融合」「XXを活用した更なる成長」…もうそうなら要注意。M&Aすること自体が目的化しているかもしれない危険信号なのだ。
M&Aは成長に必要な時間を圧倒的に短縮できる有効な手段だ。だが、M&Aさえ実行すれば、すべてがうまくいくわけではない。むしろ、M&A後に本当の試練が始まる。ポストM&Aを成功に導くための「tips(こつ)」をシリーズで伝える。
ポストM&Aでよく耳にするのが「PMI」。買収後の経営統合作業をいう。その際、経営トップら幹部のリーダーシップとマネジメントが求められるが、田中角栄(元首相)の考え方や言葉にPMIを成功に導くヒントがあると考えている。
M&Aが大手企業を中心に経営戦略の有力な手段として定着してきた。しかし、ネガティブなイメージで語られることも少なくない。そうしたイメージの払拭にも一役買うと期待されているのがPMI。M&A後の重要なプロセスであるPMIとは。