「TOBってなあに? もうかるの?」 第3回(完)

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 持ち株割合を何%にするかは、法務的な判断や財務会計への影響、ビジネスの判断や株主への説明などを総合的に判断されますので、まさにケースバイケースといえます。

 なお、TOBの場面では必ずしも、市場価格を上回る買付株価ばかりとは限りません。事実上、既存の大株主と握れている場合などで、一般株主分までの株式は必要ないような場合、市場価格を下回る株価で公開買付けがなされる場合もあります。

 既存の大株主としては「市場価格より低い金額でも、市場で売るよりは、TOBで一括で売っちゃった方が安心だ。市場で大量に売ったらどれだけ値崩れするか分からないしね」というように市場での売却よりもTOBに応じた方が、メリットがあるような場合です。

 買い手側も「もう大半の株は手に入るから、一般投資家分はいらねえ」みたいなケースで、市場株価より低い価格のTOBでも、買い手と既存大株主の利害が一致します。

 また、TOBは必ずしも友好なものばかりとは限りません。経営陣や従業員が反対するようなケースもあります。例えば、ブルドックソースなどがありましたね。ホリエモンさんのニッポン放送のときも色々ありました。

 ここではTOB価格と市場価格の差に関しての税務上の取り扱いについて詳細は書きません。TOB価格と市場価格に差があっても基本的には税務上の問題はないです。普通のTOBでは寄附金課税や受贈益課税の問題が生じる可能性はありません。

本日はここまで。

「TOBってなあに? もうかるの?第1回目、TOBの実例」を読む

「TOBってなあに? もうかるの?第2回目、「善管注意義務」と「のれん」」を読む

[著]節税ヒントがあるかもブログ メタボ税理士さん
[編集]M&A Online編集部
本記事は、「節税ヒントがあるかもブログ」に掲載された記事を再編集しております。
原文をお読みになりたい方は、こちらから
http://ameblo.jp/h-k-tax/entry-12090046068.html

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