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【バークレイズ】知っているようで知らない、外資系金融機関まとめ<7>

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日本でのオフィスは東京・六本木に

リーマン・ブラザーズの北米部門を買収

日本には1986年設立で資産運用・管理業務を展開するバークレイズ・グローバル・インベスターズ信託銀行(BGI)がありましたが、BGIは2008年に住友信託銀行(現三井住友信託銀行)に吸収合併され、姿を消しました。この年、残念なことに1986年以来の東証上場も廃止しました。

2008年といえば、リーマンショックです。米大手証券のリーマン・ブラザーズがサブプライムローン問題による巨額損失で経営破綻し、世界的な金融危機のきっかけとなりました。破綻後、そのリーマンのお膝元である北米部門を買収したのがバークレイズだったのです。投資銀行のグローバルプレーヤーとして、もう一段のステップアップが目的でした。ちなみに、リーマンのアジア(韓国除く)・太平洋部門と欧州・中東部門を買収したのは野村ホールディングスです。

日本でのM&A業務には拡大余地

投資銀行業務を代表するM&Aアドバイザリー業務の日本における取り組みはどうでしょうか。調査会社トムソン・ロイターがまとめている日本企業のM&Aに関するアドバイザリー業務の年間ランキング(上位25社。公表ベース)をみると、過去5年で2016年の16位(金額1兆2364億円、案件13件)を除き、ランキング外となっています。

この2016年にはアサヒグループ・ホールディングスによる中東欧5カ国ビール会社の大型買収(8900億円)があり、バークレイズは買い手側のアドバイザーを務めました。このほか、2013年、オリックスがオランダの資産運用会社ロベコ・グループを2400億円で買収した際は、売り手側のアドバイザーについています。欧米での実績に比べ、日本での存在感は全体として今一つのところもありますが、本邦企業の海外M&Aが活発化する中、顧客開拓余地は大きいといえます。

photo by Reading Tom:バークレイズが命名権を持つ米ニューヨーク市内の多目的ホール「バークレイズセンター」

文:M&A Online編集部

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