5月8日の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の「5類感染症」移行に先駆け、マスク着用要請の緩和など「脱コロナ」に向けた正常化の動きが広がってきた。ところがコロナ禍が収束しているにもかからわらず、コロナ関連倒産はむしろ加速している。
新型コロナウイルス感染症の患者数が増加傾向を示す中、大きな影響を受けてきた飲食業が、さらに厳しい状況にさらされている。倒産件数が9カ月ぶりに増加し、業界再編の動きが垣間見られる。
飲食業界はコロナ禍で、大打撃を受けており、M&Aによって事業を拡大する機運が萎んだようだ。
コロナ禍も一息つき、政府が「Go To トラベル」の再開に動き出したり、ANAが羽田発着の国内線減便措置を7月に全面停止すると発表したりと、「脱コロナ」に向けた動きが加速している。それにもかかわらず、コロナ関連の倒産が急増している。なぜか?
コロナ禍の中、飲食業の倒産が減少している。東京商工リサーチによると、2021年上半期(1~6月)の飲食業の倒産件数は330件で、前年同期(418件)よりも21%減少した。
JR東日本が2021年春のダイヤ改正で、山手線や京浜東北線など東京駅から100キロ圏内路線の最終列車の運行時間を30分程度前倒しすることになった。これはコロナ禍で息も絶え絶えの「夜の街」の飲食店やサービス業にとどめを刺しかねない措置だ。
2期連続で最終赤字に陥っているペッパーフードサービスが、ついに事業売却に踏み切った。同社では2009年にモスフードサービスからハンバーグやステーキを提供するステファングリル事業を譲り受けたほかには、M&Aに馴染みがなかった。
ラーメン店「一風堂」などを運営する力の源ホールディングスが2017年3月の上場以来、初めてとなる最終赤字に転落する。2025年までに国内外600 店舗の達成を目指す中期計画の見直しも。
新型コロナウイルスが飲食店を直撃している。串カツ店を運営する串カツ田中ホールディングスや、「屋台屋 博多劇場」などを展開する一家ダイニングプロジェクト、焼き鳥店を運営する鳥貴族は4月4日から12日まで直営店を休業する。
IoTをレストランに生かした「スマートレストラン構想」、料理人と料理のデータを保管提供するサ―ビスを事業領域として、飲食業の安定と発展に寄与したいとする長屋大輔氏。2017年9月に、デリシャスノーツ(東京都中央区)を起業した。