新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた業界といえば、2021年1月の第2次緊急事態宣言や現在進行中のまん延防止等重点措置で営業時間の短縮要請を受けた飲食業が真っ先に思い浮かぶ。だが、それ以上の打撃を受けている業界がある。ブライダル業界だ。
婚礼大手テイクアンドギヴ・ニーズが、9月30日海外ウエディングの子会社グッドラック・コーポレーションを不動産業のケン不動産リースに売却します。グッドラックは過当競争によってコロナ前の2019年12月期に2億4500万円の営業損失を計上していました。
レストラン運営のひらまつが19億5300万円の純損失を計上しました。新型コロナウイルスで売上が激減したことに加え、収益性の悪化した9店舗に対して19億7500万円の減損損失を計上したため。それを受けて経営陣を一新する新体制を打ち出しています。
コロナの影響がウエディング業界にも波及しています。浜松の結婚式場「ウエディング・セントラルパーク」のラビアンローゼが民事再生法の適用を申請しました。熊本の「アンジェリーク平安」も破産をしています。婚礼キャンセルが業界に大打撃を与えています。
結婚相談所のパートナーエージェントが、格安結婚式サービス「スマ婚」のメイションを買収しました。買収総額は15億1400万円。パートナーエージェントは、男女のマッチングから結婚式までの一貫したサービス提供ができるようになります。
ウエディングドレスのクラウディアが、大阪の老舗写真館・内田写真を5億7400万円で買収しました。内田写真は明治4年創業で、帝国ホテルをはじめとした一流結婚式場と提携しています。その太いパイプは、クラウディアを起死回生へと導くでしょうか?
IHGのラグジュアリーブティックホテル「キンプトン」が日本に初上陸します!場所はパークハイアットの隣、西新宿3丁目。カジュアルでお洒落なホテル登場でこのエリアに注目が集まりそう。運営は結婚式場運営のツカダ・グローバルホールディングです。
テイクアンドギヴ・ニーズの業績回復が鮮明になってきました。要因は大きく二つ。一つはホテル事業への参入。脱結婚式場化で売上高が稼げる体制が整いました。もう一つがドレス会社買収などによる婚礼商品の内製化。この二つが復活の狼煙にとなりそうです。
結婚式場を運営するブラスの2018年7月期第2四半期は、売上高が前年同期比7.2%増の45億4300万円だったものの、経常利益は52.8%減の2億7000万円。他社会場の買収や新規出店により売上は出せているものの、利益が出せていません。ビジネスモデルの転換を図る必要がありそうです。
結婚式場紹介のサービスを提供する、ブライダル業界のベンチャー企業リクシィが、2017年12月に5500万円の資金調達を行いました。この分野はリクルート「ゼクシィ」の牙城。長年居座ったその城を、とうとう明け渡す日がくるのでしょうか。業界の新陳代謝が起こっています。