【まとめ】時代を映したパ・リーグ球団 オーナー企業の変遷

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■埼玉西武ライオンズ(1949年11月26日加盟)

1949年11月26日 西日本鉄道を親会社に「西鉄クリッパース」が発足。
1951年1月 「西日本パイレーツ」を吸収合併
1972年11月
「ロッテオリオンズ」の中村長芳オーナーが買収。資金面で太平洋クラブと提携を結ぶ。
1976年10月 球団命名権を持つ冠スポンサーがクラウンガスライターに。
1978年10月 西武鉄道グループの国土計画に売却。

西日本鉄道が親会社の「西鉄クリッパース」としてスタート。1951年には、西日本新聞社が運営するセ・リーグの「西日本パイレーツ」と電撃合併し、「西鉄ライオンズ」となる。しかし、1972年には経営難を理由に球団を手放すことに。「ロッテオリオンズ」オーナーの中村長芳が買い取り、ゴルフ場開発会社の太平洋クラブがメインスポンサーとなって「太平洋クラブライオンズ」が生まれた。1977年には、ライター製造会社のクラウンガスライターが球団命名権を持つ冠スポンサーとなり、「クラウンライターライオンズ」に改称。1978年には、国土計画(西武鉄道の元親会社)が球団を買い取り、「西武ライオンズ」に。2008年に地域密着を図り、現在の名前に落ち着いた。

■千葉ロッテマリーンズ(1949年11月26日加盟)

1949年9月 毎日新聞社が親会社となり「毎日オリオンズ」が結成。
1957年11月 大映ユニオンズ(大映野球)と合併。運営会社を新設し、大映の永田雅一社長がオーナーに就任。
1969年1月 冠スポンサーとしてロッテと業務提携を結ぶ。
1971年1月 永田オーナーの経営撤退とともに、ロッテに売却。

毎日新聞社が母体の「毎日オリオンズ」がその始まり。この球団がプロ野球リーグに加盟するか否かで揉めた結果、賛成派と反対派に分かれ、現在のような2リーグ制になったという。

1957年に「大映ユニオンズ」と合併して「毎日大映オリオンズ」になるが、その経営はほぼ大映主導で行われていた。1964年には球団名を「東京オリオンズ」に改称。その後、毎日新聞社は資本を引き上げ、1966年には後援からも完全撤退した。1969年にはロッテと業務提携を結び、球団名は冠スポンサーの名前を入れた「ロッテオリオンズ」に。1971年には、ロッテが球団を買収して親会社となる。1991年には千葉への本拠地移転、「千葉ロッテマリーンズ」への改称を決定した。

■東北楽天ゴールデンイーグルス(2004年11月2日加盟)

球団としては歴史が浅く、オーナー企業も変わっていないので本まとめでは割愛。

現存する6球団のうち、4球団のオーナー企業はもともと鉄道会社だった。しかも、「オリックス・ブルーウェーブ」との合併によって消失してしまったが、パ・リーグ発足当時「近鉄パールス」というチーム名だった「大阪近鉄バファローズ」も近畿日本鉄道がオーナー。リーグ発足当初はとにかく鉄道会社が球団を保有していた時代であり、その背景には終戦後の復興に向けて輸送インフラの要として鉄道業界が潤っていたことがうかがえる。

また、大映や東映といった映画会社が球団運営に関わっていた点も、映画産業が元気だった証拠だと言えるだろう。

現在、パ・リーグの球団の中で一番長く球団を保有しているのは意外にもロッテ。オーナー企業の経営次第で、球団の運命も左右される。しばらくは安定した顔ぶれとなりそうだが、試合の行方とともに今後どんな再編が起こるのかにも注目したい。

まとめ:M&A Online編集部

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