西野氏が支払うのは5000万円だけでは済まない。西野氏が落札した機体は2019年6月までスリランカの航空会社サクライ・アビエーションが運用していた機体で、あと10年は現役の旅客機として運用できるという。そのためには格納庫での整備費用が月30万~50万円、パイロットなどの人件費が同数百万円はかかる。
西野氏はテレビ番組で「東京からそう遠くない森の中に移して、主宰するオンラインサロンのメンバーが泊まるための宿にしたい」と語っており、航空機としての運用はしない模様だ。それでも日本までの移送と空港から設置場所までの輸送費が必要になる。
2021年7月にヨルダン川西岸でレストランとして再利用するため「ボーイング707」を購入したケースでは、イスラエル国内の移動にもかかわらず輸送費に2万ドル(約220万円)かかった。加えて「YS-11」を設置する土地の取得または借り受けの費用も必要になる。さらには宿舎仕様にするための内装費も必要で、総コストはかさみそうだ。
もっとも西野氏のブログによると、2019年に新作個展の開催費を集めるためのクラウドファンディングで1200万円の光る絵画が発売直後に売れるなど、クリエイターとしての人気も高い。「YS-11」の機体や内装に西野氏が絵を描けば、アート作品として高額販売も期待できる。
文:M&A Online編集部