2016年には位置情報を使ったゲーム「ポケモンGO」が大流行。人々はスマートフォンを片手に公園や街に繰り出した。そしてVRを使ったゲーム機「プレイステーションVR」をソニーが発売するなど「VR元年」とも呼ばれた。2017年はVRが最先端を行く一部の人だけでなく、ゲームを中心に幅広い消費やビジネスの現場への応用が進むのではないかと予想する。
そこでVR関連の事業や技術を持つ銘柄を以下にピックアップしてみた。
グリーは2015年11月に「GREE VR Studio」を立ち上げるなど、VRにおける自社開発体制を強化してきた。首都圏を中心にアミューズメント施設を運営するアドアーズと組み、アドアーズが東京・渋谷で運営する店舗を改装し、VR専門のアミューズメント施設「VR PARK TOKYO]を2016年12月に開業した。料金は70分遊び放題で1人3300円(2人以上の場合2900円)。一時的な体験としてしか提供されていなかったVR体験を、誰でも気軽に楽しむことができる「遊び」へと昇華させていく考えだ。
傘下のTSUTAYA馬事公苑店にてVRコンテンツの無料体験と手頃な価格でVR機器のレンタルを行う実験を昨年12月27日から開始した。個人所有のハードルが高いVR機器を一泊1,000円からの低価格でレンタルする。実験結果を踏まえ、全国のTSUTAYAの店舗での展開を検討していく。
おもちゃのブロックでつくった間取りによる3Dの家をつくり、バーチャル空間を体験できる「GRID VRICK(グリッドブリック)」を2016年4月に発売した。リアルタイムで3Dの家を作り出し、間取りを自由に変更することができる。新築分譲マンションのモデルルームの3D体験できるスマートフォン用VRゴーグルも提供する。
視覚拡張をコンセプトにしたメガネ型ウエアラブル端末のプロトタイプ商品を開発した。1月18日~20日に東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される「ウェアラブルEXPO」に出展する。VRの普及で眼への負担が大きくなるなかで、眼の健康を守りながら、VRなどの最新技術を活用できる環境の提供をめざす。
2016年8月にVRに対応した高性能で軽量なヘッドマウントディスプレーを製造する中国のアイデアレンズ社と共同出資で新会社「VR Japan」を設立。VR関連の求人情報を紹介する転職スカウトサービスも始めた。
ここに取り上げた銘柄以外にも今年は様々な企業のVR市場への参入が見込まれそうだ。自前での開発だけでなく、VR関連の技術やサービスの獲得を狙ったM&Aも活発になるに違いない。
M&A Online編集部