エムスリーが医療情報データベース事業者の日本アルトマークを買収した事例が、公正取引委員会が行う企業結合審査の対象となりました。今回はその審査の過程と結果をわかりやすく解説します。
大型合併や経営統合で問題になる「企業結合規制」とは、寡占化など一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなる場合に、M&A取引(株式取得、合併、分割、事業譲受等)を規制することを言います。
グーグルが反トラスト法(独占禁止法)に違反したとして提訴された。M&Aの世界で見ると、独占禁止法は買収企業と対象企業の売上額や資産の額が基準以上であると企業結合規制に基づく届出を行い、当局の審査を受けることになる。
本シリーズでは、M&Aの主幹部門が、ディールの効率・確度を上げるために、法務・知財部門とどのように協力すればよいのかをわかりやすく解説する。今回は、法務部門との規制まわりの対応の協力がディールの実効性を上げるのに寄与することについて述べる。
ガンジャンピング(gun jumping)というのは、企業結合期日前の共同行為のことで、結合実行前に当事者間で協調的な行動をとったり情報交換をしたりすることです。これが、独占禁止法違反になるのではないか議論されています。
Google、クアルコム、British Airwaysなど各国の企業がEU(欧州連合)における規制にもとづき制裁金を科される事例が頻発しています。これらの規制に関連する最近の動向を概観してみたいと思います。
M&Aの現場では「5 %ルール」と言う場合、次の二つがあります。一つは、金融商品取引法(証券取引法)の大量保有報告制度で通称「5%ルール」と呼ばれるもの。もう一つが、独占禁止法の議決権保有規制の「5%ルール」です。この独占禁止法の5%ルールには例外規則が設けられており、一般事業会社の再生支援の局面では、銀行・保険会社の議決権保有規制が例外的に許可されます。