山を覆う樹木は光合成によってCO₂を吸収して成長する。樹木も人間と同じように呼吸をしており、酸素を吸ってCO₂を排出する。成長期はCO₂の排出よりも吸収の方が多い。
このため古い樹木で覆われた山よりも、植林などで若い樹木の多い山の方がCO₂の吸収量が多くなる。樹木の成長と合ったペースで木材を建築材料として使うことで、CO₂の排出を抑制できるわけだ。
カーボンオフセットは人間の活動や生活などによって排出されたCO₂を、植林や排出権購入などによって吸収しようとする取り組み。
環境省と経済産業省は山の日の前後に「富士山と阿蘇山で運行されるシャトルバスや道の駅、さらにその周辺観光施設」と「高尾山周辺の観光施設や山の日関連イベント」などから排出されるCO₂を、周辺地域で削減・吸収されたCO₂で埋め合わせする地産地消型のカーボンオフセットを実施する。
対象地域内で、J-クレジットとして認証された省エネ・再エネ設備の導入や、森林管理によって削減、吸収されたCO₂を用いる。
例えば協賛事業者の一つである里山エナジ―は南阿蘇地域で再生可能エネルギー事業の開発や運営に取り組んでいるほか、同じく協賛事業者の八王子市も上川の里特別緑地保全地区で木道の整備や間伐などの手入れを行っている。
これら活動によって削減されたCO₂で、富士山、阿蘇山、高尾山周辺で排出されたCO₂を相殺しようというものだ。
山の日に地図に記された正確な登山道を歩きながら、山が吸収してくれるCO₂について考えるのも悪くはなさそうだ。
文:M&A Online編集部
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