「二刀流」でメジャーのMVPに選ばれた大谷選手(Photo By Reuters)
この30年間の「分断」は、日本のプロ野球界がメジャーへの「人材流出」を恐れたため。村上選手は南海時代にはご飯に味噌汁、目玉焼きとアジの干物だったチームの朝食が、メジャーでは新鮮なオレンジジュースやレタスサラダ、ハム、ベーコン、ミルクなどがふんだんに用意された贅沢な内容だったのに驚き、球場の立派さに目を見張った。
村上選手は南海に呼び戻されて素直に帰国したが、優秀な日本人選手が条件に恵まれたメジャーを目指すことを懸念したのである。任意引退でドジャースへ移籍した野茂投手が成功したのを受けて、メジャーに挑戦する日本人選手が続出するのを懸念した日本野球機構は1999年に協約を改正。野茂投手のように任意引退した選手は、メジャーを含む世界各国のプロ野球球団と契約できなくなった。
日本人選手のメジャー進出が進んだのは日米球界間で「日米間選手契約に関する協定」が調印され、ポスティングシステムが成立。2000年にオリックスのイチロー選手が、1312万5000ドル(約15億円)という高額の譲渡金でシアトル・マリナーズへ移籍してからだ。
選手を送り出せば日本球団側に「金銭的なメリット」が発生するようになり、メジャーへ送り出すことに抵抗感がなくなった。いわば「野球選手のM&A」のシステムが確立したことで、日本人選手のメジャー進出が「当たり前」になり、「未来のベーブ・ルース」とも言える大谷選手の活躍を実現したのだ。
文:M&A Online編集部
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