例えば、ナブテスコ<6728>をみてみましょう(時価総額は4,200億円ぐらいです)。対象会社「ナブテスコ」で検索してみると、タイヨウファンドが最後に大量保有を提出したのが、2011/1/13であることが分かります。
入れ替わるように大量保有を提出しているのが、住友信託銀行(現 三井住友信託銀行)です。信託銀行は自己勘定で取引しないので、どこかの委託と考えられます。筆者はこれがカルパース本体ではないかと推測しています。
現在、ナブテスコの筆頭株主は、有価証券報告書によれば、住友系列の日本トラスティ・サービス信託銀行で、保有割合は6%程度です。またタイヨウファンドが大量保有しているはずのディスコ<6146>の筆頭株主も、日本トラスティ・サービス信託銀行であり、この推測を補強しています。
今回、大量保有データベースから追っていくと、カルパースは信託銀行経由で日本株式を保有していると推測しました。このように大量保有データベースをうまく活用すれば、金融マーケットをまた新しい視点で見ることができるようになります。
是非、読者のみなさんも大量保有データベースを活用して、推理・分析してみてください。
それでは、次回もお楽しみに。
文:AT@M&A Online編集部
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