明けましておめでとうございます。
日ごろ、読者の皆さまには「M&A Online」に変わらぬご声援をいただき、誠にありがとうございます。昨年来、新型コロナウイルス感染への未知の対応を強いられる中、一日も早く心穏やかに過ごせる日々が戻ることを願うばかりです。ポスト・コロナの社会・経済を見据えつつ、「M&A Online」ならではの情報発信に努めるべく、編集部一同、気持ちを新たにしています。
2020年のM&Aは年間850件近く(適時開示ベース)に達し、過去10年間で2019年に次ぐ高水準となりました。新型コロナ下、国境をまたぐ海外M&Aが落ち込んだものの、国内企業間のM&Aはむしろ勢いを増しました。M&Aを通じた事業の入れ替えなど構造改革意欲がおう盛だったことに加え、緩和マネーが引き続きM&Aを後押ししたことが見逃せません。
2021年も昨年来の流れを受け継ぎ、国内主導の展開が続きそうです。また、中小企業の後継者不足がピークを迎える「2025年」問題の解決に向けて、M&A活用が一層進展することが予想されます。
M&Aの分野で今年のキーワードの一つが3月から制度運用が始まる「株式交付」。2019年12月に成立した改正会社法で、新たな再編類型として創設されました。従来の株式交換と異なり、完全子会社化を予定していない場合でも、自社株式を対価として交付し、子会社化が行えるようになります。どの程度利用されるのか注目です。もっとも、株式交付と株式交換は名称が似通っており、紛らわしいので、注意が必要となりそうです。
最後に編集部からお知らせがあります。M&A Online編による初の試みとして、「M&A年鑑2021」(ダイヤモンド社刊)が1月末に発行されます。昨年の全M&A案件(適時開示ベース)を取り上げ、金額ランキング、スキーム別、業種別、海外M&A、都道府県別、TOB(株式公開買い付け)などについてデータを踏まえて解説した内容です。手にとってみていただければ、幸いです。
読者の皆さまにとりまして、2021年が良き1年になりますことを心よりお祈り申し上げます。
「M&A Online」編集長 黒岡 博明