事業承継士」とは

 事業承継士は、事業承継センター株式会社が資格取得講座を運営し、一般社団法人事業承継協会が資格の認定および更新を行っている、民間の認定資格です。

 2015年に開講してから3年で351名が受講しており、主な受講者は、中小企業診断士、公認会計士、税理士、弁護士、行政書士などの士業、経営コンサルタントです。事業承継士資格の取得者は北海道から沖縄まで全国に存在し、各地域で支部を設置して、行政や金融機関と連携して中小企業の事業承継支援に取り組んでいます。

 本講座では、現役の事業承継を専門としているコンサルタントが講師を務め、現場での具体的な事例を交えながら、事業承継コンサルティングに必要な知識やノウハウを学ぶことができます。また、資格取得後は、本講座で取り扱った事業承継支援に関するツールやテンプレートを、実際に事業承継を行う際に使用することが可能です。

 本講座で習得できる内容は、事業承継士としての心構え、事業承継におけるヒアリング・現状分析・課題発見・解決策の提示、事業承継計画の策定方法、非上場会社の株価の計算法(路線価からの土地の評価額の計算を含む)、民法における相続の知識、後継者の選択や育成方法、技術承継の方法、保険や信託の活用法、事業承継に関する法律や制度の活用法、家族会議の開催方法、中小企業や支援機関に向けた提案方法、などです。

 事業承継士を取得するには、全30時間の講座(6時間×5日間)の75%以上に出席した後、事業承継士認定試験で60点以上得点して合格し、一般社団法人事業承継協会に入会登録することが必要です。本講座は主に東京で開催されますが、ゴールデンウイークやシルバーウィークなどの長期休暇時期に開講されるので、遠方に在住の人でも受講可能です。

 2016年に起きた熊本地震で中小企業の事業承継の危機を感じたことから、熊本に拠点を置く税理士や経営コンサルタントが多く受講しています。

(参考)事業承継センター株式会社 事業承継士取得講座ガイダンス       http://www.jigyousyoukei.co.jp/shoukeishi/#page02

 事業承継支援を行う専門家を目指して資格取得を考えている方がいましたら、まずはインターネットのホームページで情報収集し、気になる資格の説明会に参加してみることをお勧めします。

文:中小企業診断士 和田 純子