「五洋食品産業」元社員が果たした執念の復活劇|【東証PRO】

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11月1日は「品質の日」

成長の原動力は何か。実は五洋食品産業には「破綻の教訓」がある。

創業から着実に業績を伸ばしてきた同社に、2000年、大きな転機が訪れた。チーズと一緒に喫茶店や生協に卸していたケーキにカビが生えていたのだ。当時は雪印乳業食中毒事件をはじめ、食の安全性への関心が急速に高まった時期。同社でも、そのクレームが商品回収事故へと発展する。

同時期に前代表が病に倒れた。社内は動揺・混乱し、社員の多くが同社を去ったという。事業の継続が困難な状況に陥ったようだ。その状況は同社ホームページの「企業沿革」にも、「商品回収事故の発生、前代表の病倒、役員・従業員の大量離脱により事業継続困難となり現代表により第2創業」とわざわざ文字の色を変えて記している。

そこで同社は2000年11月に経営の刷新を図った。社員であった舛田圭良氏が経営トップに就き、残った数人のアルバイトとともに同社の再生を推進。いわゆる第2創業である。

その第2創業日である11月1日を同社では「品質の日」と定めている。「2度と同じ間違いを起こしてはならない」と決意を固めてのリスタートだっただろう。だからこそ、第2創業以後の経営は「品質の向上」が原点であり、同社における至上命令と位置づけたのであろう。

TOKYO PRO Market上場は、資金調達や社員のモチベーションの維持向上のうえで大きな力となった。社長の舛田氏にとっては“雪辱を果たす”うえで執念ともいえる経営者魂があったことは想像に難くない。

文:M&A Online編集部

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